【書評】議論のルールブック[議論を行うために知るべきこと]

【書評】議論のルールブック[議論を行うために知るべきこと]
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どうもタスです。

インターネット上の誹謗中傷や避難の応酬に見られる、俗にいう「炎上」を見て、低レベルだなこの争い…と見て見ぬふりをしていた私でしたが、それをキッカケに議論とはどういうことなのか深掘りした本が「議論のルールブック」。

最初は炎上に対して語っているものかと思ったけれど、読んだ後は議論に対する考え方がとても整理され、且つ考え方が大きく変わった。多分、どの年代でも議論というものを行っているものだし、どこかで見ているもの。誰でも経験があるからこそ、本書の内容とその経験を照らし合わせると色々な発見があるのだと思う。

そこで今回は、読書習慣を始めて30冊目の本になった「議論のルールブック(新潮新書)」についてお伝えする(30冊目に突入しました)。

 

著者のご紹介

岩田 宗之(いわた むねゆき)
1971年、岐阜県生まれ。東京大学大学院工学系研究科博士課程退学。デンソーに入社後、2001年に独立。フリーエンジニアとして、ソフトウェア開発や技術系図書の執筆に従事。

 

目次

Ⅰ 議論の破壊者たち
Ⅱ そもそも議論とは何か
Ⅲ 発言者の心得

 

実りある議論を行うために考えること

【書評】議論のルールブック[議論を行うために知るべきこと]

本書は、「Ⅰ 議論の破壊者たち」で炎上させる側の人たちについて紹介している。具体的には、感情論を振り回す者、インチキ理論を提唱する者、虚無感満載の冷笑主義者たち、最後に匿名という問題もある。そして、「Ⅱ そもそも議論とは何か」では、議論とは何か?そこで求められる客観性とは?正しい答えとは何か?そして、意見や主観性とはどういうことを言うのか?を掘り下げている。

見て頂くとお分かりのとおり、本書は真面目に議論について語っている。まえがきの最後には以下のように書かれているが、冒頭で言ったように、私は最初、炎上に関する内容の本だとばかり思っていたが、全くお門違いである。

議論とは何を目的にしたものであり、どういう発言が「良い発言」と呼ばれるのかについてです。もちろん、議論において何が「良い」のかは、最終的には各自の判断に任されることです。本書が、良い議論、実りのある議論について考えるきっかけとなれば幸いです。

先のⅠ、Ⅱで本書の大半を使用するが、そこには普段の会話や会議での発言、メディアの見方で気を付けなければならないことが沢山あることに気付く。そもそも議論を行うということがどういうことなのかを理解していないまま議論を行っていることで混乱や紛糾しているケースがほとんどだからである。

 

議論を行うということ

【書評】議論のルールブック[議論を行うために知るべきこと]

議論の形態は「討論、議決、対話」の三パターンになるという。

討論は、朝生のように自分たちのためではなく、観客へ向けて行う議論のことを言い、最終的な結論は観客へ委ねる。議決は、何かの結果をもたらすために、いわば自分たちのために議論を行うことである。最後の対話は、結果を求めることなく議論することで、お互いの意見を聞くことであり、普段もっともなじみ深い議論の形態はこの形式である。

この三パターンの中で様々な手法を駆使して議論というものが行われる、ように見えるが、著者が言うには「議論とは人の話を聞くことである」ということだ。そんな簡単なコト?とお思いだろうが、意外にこれが難しい。だからこそ度々荒れているのである。

感情的な人は自分の意見を言いたいがため、押し付けたいがため、理解して欲しいがために本筋とは異なるアプローチで攻める。インチキ論理者も攻め方が違うだけで根本は同じだ。そういう人たちには、「いや、あなたの意見は違う。俺の意見を聞け」と言っても聞く耳はない。なぜなら、私は間違っていないというスタンスが崩れすことがないからだ。

そのため、彼らには「気付かせる」ことが大事である。本筋に近付くように、そして間違っていることを自分で気付くように(言っても聞かないから)、敢えてフォローするように意見をする。そうすることで自分をアップデートして誤りを気付かせるアプローチが大事なのだ(そもそも無視でもいいのだろうけど)。

よくワイドショーで胡散臭い専門家が出演しているが、それこそインチキ論理者を警戒するように話を聞くと、いつも見ている光景とは角度の違った見方ができるのではないかと思う。そこに意見を言えるような頭になれば、自分で考える力もついて、少しは「面白い番組」になるのでないかと思う。

 

有意義な議論を行うために最も重要な一つのこと

【書評】議論のルールブック[議論を行うために知るべきこと]

インチキ論理者の手法(存在命題と全称命題や、反証可能性や対照実験の必要性など)、ブログ炎上者の実態(自分の無力さを実感していることを逆に示していること)、匿名の問題(匿名が問題ではなく、それを使用している側に問題があるということ)など、良い議論のための方法、本書であるルールブックから学んだことは沢山ある。

細かな技術や論理を駆使することも大事なのだが、最も重要なことは著書のテーマでもある「人の話を聞くこと」なのだと思う。議論は、自分の意見を言う場なのではなく、相手の意見を聞く場である。自分の正しいと思う意見では心許ないから相手の意見で補完して、自分の意見をブラッシュアップするための云わばツールである。

何か結果を出さなければならないのであれば、両者がそういう心意気で議論をすることでお互いの意見をブラッシュアップし、いずこかに着地点を設けることで結果を出す。もしくは、お互いブラッシュアップし続けることで新しい意見が生まれる可能性も大いにあるのである。

正しい答えは存在します。しかし、それは無限に複雑なため、我々はその全てを得ることはできません。できるのは、努力によってそこに近付くことだけです。

書名はルールブックになっていますが、議論にルールはなく(著者も便宜上そうしたのでは)、お互いに意見を高め合い楽しめれば良いのだと思う。それには議論を行うための議論を行うなど、とても複雑で一筋縄ではいかないから本書が必要なのだと思った。

人の話を聞くこと、批判を素直に受け止めること、お互いを尊重しあうこと、真摯に向き合うことなど、本書を通じて議論のための意識を高めることにより、生産性のある議論を行われることを期待したいとともに、自分自身も常に頭の片隅に入れておくことで、有意義な議論を行いたい。

 

おわりに

何気ない会話でも「そんなこと言ったってどうにもならないのでは」のようなことを言ったことが結構ある。本書を読んで、私は冷笑主義者なのかと思ってしまった。とはいえ、本心からそう思っているのではなく、議論が面倒な時についつい言ってしまうことがあるのだ。

もう少し議論ができる人間になろうと本書を読んで誓うに至ったのと、対話の素晴らしさを学べたことに感謝する。色々な意見を取り入れなければ、将来「頭の固いオヤジ」と言われることが目に見えているから。。。

 

おススメ記事、正しいとは何か?

議論には正しい回答は必ずあるということだったが、「正しい」とは何か?考え抜く力を鍛えるためにも以下の書を推薦する。

 

類書


議論を行うためには理解してもらわなければなりません。その重要な伝える技術。

 


論理的な議論の構造をやさしく解説してくれます。

 


正しい議論の仕方について、Win-Winでベストな成果を導き出すための論理的で生産的な話し合いの仕方を教えてくれます。

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