
どうもタスです。
最近は主に読書習慣による書評が記事更新の大半を占めていたのですが、先日、以下のようなお問い合わせをいただきました。
タスLife
管理人様お世話になっております。
EaseUS SoftwareのLisaと申します。突然のご連絡、失礼いたしました。
EaseUS Softwareは、2004に成立したソフトの製造/販売メーカーです。
弊社のデータ復旧ソフト「EaseUS Data Recovery Wizard」をご紹介お願い申し上げたく、メールにてご連絡申し上げます。
そうなんです、こんなブログにもついに商品紹介依頼が来ました。最初は怪しいメール…?と思ったけれど、せっかく頂いたのであれば受けてみようと当記事を執筆することにしました。ちなみに、依頼主に忖度無しで、実際に使用感をお伝えしたい旨を問うたところ、快く了承して頂けました。
>内容は、善し悪し両端を書くことを了承願えますでしょうか?
はい、問題ありません。
ということで、今回は「EaseUS Data Recovery Wizard」の紹介と、実際に試したことをお伝えしたいと思います(以下に掲載する画像は、2020年5月21日現在のものです)。「EaseUS Data Recovery Wizard」は、お問い合わせの文言に既に記載されていますが、「削除したファイルを復元するデータ復旧ソフト」になります。
あるファイルを誤って削除したために復旧できないなんてことはよくあることです。実際に私も残念な目に会ったことは幾度かあります。当復元ソフトは、試用のためのライセンスコードを頂いたので、Professional版を使用しました。
この記事の目次
EaseUS Softwareについて
英語表記「EaseUS Software Co., Ltd.」、日本語表記「有限会社イーザスソフトウェア」は、2004年に設立された中国の企業です。事業内容は、取締役社長の一言にも
「EaseUS(イーザス)の使命は、世界中の人々に、より効率的で、安心なデータ管理技術をお届けすることです。」
と掲載されているとおり、データ復旧、バックアップ、パーティション管理などに関連する製品および付帯サービスの企画・開発・販売を世界160ヵ国及び地域で展開されており、利用者は800万人を超えています。とても広範囲に展開している企業ですね。
日本国内も多くの企業と取引していて、例えば、
- 株式会社ベクター
- 株式会社エクサゴン(リセラー)
- 株式会社DEGICA(リセラー)
- 株式会社イーフロンティア(リセラー)
- アマゾンジャパン株式会社
- 楽天株式会社
- 株式会社インプレス 窓の杜
- フリーソフト100
- オールフリーソフト
- ソフトニック
など、名だたる企業との取引があるようです。
マスコットキャラクターもいるw
HPは、とてもスタイリッシュな作りでカッコいいのですが、一点、注目に値する可愛らしい部分がww
作られた経緯が気になるけれど、「ぺざす」というマスコットキャラクターもいるようなので親近感湧きますね(笑)
ツイッターもやっており、製品の更新情報などを随時ツイートしています。
EaseUS Data Recovery Wizard以外の製品は?
データ管理が主なソリューションなので、他には、バックアップ、パーティション管理、PC引っ越しなど、データを扱うソフトウェアが揃っています。
- EaseUS Todo Backup(バックアップ、クローン)
- EaseUS Partition Master(パーティション管理)
- EaseUS Todo PCTrans(アプリ、アカウント設定、ファイル転送など)
EaseUS Data Recovery Wizardについて
起動してすぐに感じたのは、画面及びメニューがとてもシンプルなこと。他機能なソフトウェアであれば、それだけ画面やメニューが散在しそうなものだけれど、当製品はこの見た目だけでシンプルにデータ復旧だけを行うものだということが理解できる。
操作も3ステップで復旧できるようだし(後でやってみるけど)、シンプルな製品を好む人であれば満足いく作りなのではないだろうか(私もシンプルイズベストな人間です)。
本製品の特徴として、97.3%のデータ復旧率(復旧したデータ/紛失したデータ)を謳っているところや、Victorプロレジ大賞にて4度受賞歴があるところなど、定量的(復旧率の根拠は欲しいところだけれど)に良い製品を示唆できるところでしょうか。少なくとも、Victorプロレジ大賞は、「ベクターPCショップで販売する製品版ダウンロードソフトの中で、最も人気を集めたソフトを決するイベント」ということもあって、信憑性を担保する一因になるだろうと思います。
また、様々なデバイスやOSに対応している点も見逃せません。WindowsからMac、iOSやAndroidまでカバーしている点も嬉しいですね。というかビックリ。値段は「PC>スマホ」ですが、OSによる違いはほとんどありません。
本製品はご多分に漏れず、無償版も公開されています。よって、今回私が利用する製品版との違いが気になるところだと思います。違いは以下のとおりで、無料版と製品版の違いは、復元可能なファイル容量です。製品版での違いもありますが、個人で使用するのであれば考慮する必要は無いでしょう。
本製品で可能なことは、あらゆる場面でのデータ復旧に限ります。しかし、その場面というのは、考えるよりとても多いことに気が付くでしょう。換言すると、それだけ普段からリスクが多いということです。そのために、当該ソフトウェアにリスク転嫁することも考えておかなければならないということです。
EaseUS Data Recovery Wizard Professionalを使ってみた
長々と書いてきましたが、実際に製品を使用してみたいと思います。今回、データ復旧を試すパターンは以下の三通りです。
- SSD上のデータを完全に削除(ゴミ箱を経由せず)する。
- USB上のデータをフォーマットして削除する。
- USBをフォーマット後、データを配置して、それを完全削除する。
1.と3.は発生率が高い操作ですね。では、早速、1.から試したいと思います。
1. SSD上のデータを完全に削除(ゴミ箱を経由せず)する。
(1) Dドライブに「00.EaseUS」フォルダを新規作成し、任意のファイルを配置します。[フォルダ、jpgファイル、isoファイル、exeファイル、wmaファイル、zipファイル、txtファイル]を配置しました。なお、isoファイルは4GBの大容量です。
(2) 配置したファイル全てを完全削除します(ゴミ箱を経由せず完全に削除します)。
(3) 削除後の「00.EaseUS」フォルダの中身です。これで誤って削除してしまった状態の準備ができました。
(4) EaseUS Data Recovery Wizard Professionalを起動し、「ボリューム(D:)」をスキャンします。
(5) スキャン後、「00.EaseUS」フォルダを発見しました。
(6) 「00.EaseUS」フォルダの中身は、先程削除したファイルが格納されています(多少、テストで作成したファイルも含まれていますが)。
(7) 復元対象として全てのファイルを選択し、「リカバリー」ボタンを押下します。なお、高度なスキャン中においてもリカバリーは可能ですが、不完全な形で復元される恐れがあるため、スキャン終了後にリカバリーしましょう(メッセージダイアログに従えば問題ないですけれど)。
(8) 高度のスキャンも完了したので、リカバリーを実行します。ちょっと気になるのは、スキャンファイルのプレビューができないのが気掛かり…。
(9) 復元するフォルダを選択します。これについても、ダイアログに書かれているとおり、「データを元のドライブ(データを失った場所)に復元する」のは止めましょう(削除データが復元データに上書かれて、再復元が不可能になります)。ということで、私も元のDドライブではなく、Cドライブに復元します。
(10) フォルダを選択したらリカバリーが始まります。
(11) リカバリーが完了しました。
(12) 選択したフォルダに「00.EaseUS」フォルダが復元されました。フォルダ内には、(7)で選択したファイルが配置されています。
(13) しかし…、(8)のプレビューでは気掛かりのままだったとおり、復元したファイルは破損しており、jpgは見れず、wmaファイルは再生できませんでした。。何かがおかしかった…?
2. USB上のデータをフォーマットして削除する。
気を取り直して…、今度はUSB上のデータをフォーマットして削除したデータを復元してみます。
(1) FAT32でフォーマット済みのUSBメモリに1.(1)と同様の各種ファイルを配置します。ただし、ファイルシステムがFAT32であるため、4GBのisoファイルは配置できません。
(2) NTFSにフォーマットします。
(3) フォーマットによりデータが消える警告が表示されますが、「OK」を押下します。
(4) フォーマットが完了します。
(5) フォーマット後のUSBメモリの中身です。これで誤ってフォーマットし、ファイル群を削除してしまった状態の準備ができました。
(6) EaseUS Data Recovery Wizard Professionalを起動し、USBメモリ(これは製品によって名称が違うので各自のモノを選択してください)をスキャンします。
(7) スキャン後、「00.EaseUS」フォルダを発見し、中身をチェックします。test.txtだけリストアップされなかったけれど、0バイトだからだろうか(まぁ、いいか)。
(8) 1.とは違い、スキャンファイルのプレビューは表示されました。
(9) リカバリーを行うことで復元できました。jpg及びwmaファイルも表示及び再生できたことを確認しました。復元できた!
3. USBをフォーマット後、データを配置して、それを完全削除する。
2.でUSBメモリをNTSFにフォーマットしたので、FAT32の時に配置できなかった4GBのisoファイルを用いて検証します。
(1) USBメモリに4GBのisoファイルを配置します。
(2) isoファイルを完全削除します。
(3) 削除後の「01.EaseUS」フォルダの中身です。これで誤って削除してしまった状態の準備ができました(外部記憶機器ってゴミ箱経由しないので致命傷ですよね…)。
(4) EaseUS Data Recovery Wizard Professionalを起動し、USBメモリをスキャンした結果、「01.EaseUS」フォルダにisoファイルがリストアップされました。
(5) 復元も問題なく行われ、マウント可能か検証します。
(6) 問題なくマウントされました。破損も無し!
まとめ
今回は、EaseUS Data Recovery Wizardによるデータ復旧について三通りのパターンを検証しました。二/三通りは復旧成功しましたが、SSDからのデータ復旧だけ失敗したのが残念でした。正直、内容は分からないのですが(PRしていた他ブログでは成功ばかりなのに…)、全てが復旧できるわけではないことが分かりました(ある意味、2.7%に当てはまったと言えるのか?{100-97.3=2.7%})。
とは言え、画面やメニューのシンプルさや操作性、簡易性はとても気に入りました。他の復元ソフトもアレコレ試したわけではなく比較検討が十分ではありませんが、少なくとも製品版を購入すると手厚いサポートが受けれそうな点はポジティブに捉えて、大事に至った場合は使用の検討をおススメします。
SSDからのデータ復旧失敗についての追記
SSDからのデータ復旧が失敗したことについて、EaseUS SoftwareのLisaさんに問い合わせたところ、以下の回答が。
SSDについてですが、「TRIM機能」が有効化しにした場合、復元できない状況があります。
TRIM機能?ということで、早速、調べてみると以下の記事がヒット。
EaseUS ~ TRIMに削除されたデータをSSDから復元する方法
EaseUS ~ Windows 10でSSDのTRIMを無効/有効にする方法
上記の記事を読んだ後に、再度、EaseUS SoftwareのLisaさんに以下の問い合わせをした。
私の理解では、データ削除時にTRIM機能を有効化していた場合、データは完全削除される。
逆に、TRIM機能を無効化していた場合、復元できる可能性がある、です。その場合、以下の記事では、私と同じく、TRIM機能を有効化したままデータを削除したにもかかわらず、私と同様の手順でデータ復旧可能であるように捉えられるのですが、如何でしょうか?
1. TRIMに削除されたデータをSSDから復元する方法
https://jp.easeus.com/storage-media-recovery/recover-deleted-data-from-ssd-when-trim-enabled.htmlまた、以下の記事では、TRIM機能を無効化していなければデータを誤って削除しても復元はできなくなりますよ。と言っているように思えます。
2. Windows 10でSSDのTRIMを無効/有効にする方法
https://jp.easeus.com/knowledge-base/how-to-enable-disable-trim-on-ssd.html前提として、TRIM機能を無効化しなければ、誤ってデータ削除しても復旧できない。
もし、誤ってデータ削除した場合でも、EaseUS Data Recovery Wizardであれば復元可能です。
という認識でよろしいでしょうか?
※その認識であっている場合、私もデータ復元可能だということかと。
それに対する回答が以下のとおり。
ご質問について、念の為、サポートチームと確認しました。
データ削除時にTRIM機能を有効化していた場合、データは完全削除されることは間違いないです。
「EaseUS Data Recovery Wizard」でもほとんどの場合は復元できません。しかし、実際に復元できた例もありますので、100%復元できないとも言えません。
この場合、無料版でスキャンして、復元できるかどうかを確認することをおすすめいたします。
結局、TRIM機能を有効化している場合は、データ復旧が望めない可能性が高いということなのですね。このSSDのTRIM機能って皆さん理解されているのでしょうか?SSDの寿命を縮めるというトレードオフがあるので、一概に無効が良いとは言い切れないのですが、この事実は知っておいた方がよさそうです。
なお、私もTRIM機能は有効化されており、そのためにデータ復旧できなかった考えることができそうです。
それにしても、EaseUS SoftwareのLisaさんの回答が迅速であることと、解説も丁寧であることには驚きました(基本、レスは早かったです)。こういった姿勢がEaseUS Softwareの信頼性を高めるのだと思います。少なくとも私がそう感じたように。