【書評】「脳に悪い7つの習慣」

脳に悪い7つの習慣

脳トレゲームやクイズゲームなど、脳を鍛えて頭を良くしようという風潮は一時期流行し、そして今でもテレビではクイズ番組が盛んに放送されています。
脳は、鍛えて良くするものだとばかり思っていました。もちろん、勉強して頭を良くすることは良いことだと思っていますが、本書では、その点には一切焦点を当てず、
逆に、「脳は、トレーニングして鍛えるよりも、悪い習慣を止めることで潜在能力が活き、今よりももっと力を発揮することができます」ということを脳医学的観点から詳しく説明してくれます。
今回は、林成之さん著書の「脳に悪い7つの習慣」を読んだ感想を書いていきたいと思います。

 

著者 林成之さんとは

日本の脳神経外科医で、本書でも紹介される脳低温療法の開発をした方です。2008年に開催された北京オリンピックでは、競泳日本代表チームに招かれ、
脳医学的視点から成果を出すための方法論について講義し、結果に大きく貢献しました。

 

本書の目次

第1章 脳に悪い習慣① 「興味がない」と物事を避けることが多い
第2章 脳に悪い習慣② 「嫌だ」「疲れた」とグチを言う
第3章 脳に悪い習慣③ 言われたことをコツコツやる
第4章 脳に悪い習慣④ 常に効率を考えている
第5章 脳に悪い習慣⑤ やりたくないのに、我慢して勉強する
第6章 脳に悪い習慣⑥ スポーツや絵などの興味がない
第7章 脳に悪い習慣⑦ めったに人をほめない

 

本書の感想

感想は以下の三点。

  1. 悪いことを止めることが脳にとって良いこと
  2. 脳医学の視点に基づく悪い習慣に対する根拠が明確で分かり易い
  3. 脳の仕事が順序立てられていて、読み手が追いやすい

 

1. 悪いことを止めることが脳にとって良いこと

読み進めるうちに気付いたのですが、「悪い習慣を止める」ことは、「良い習慣を行う」こと以上に重要なことだと思う。
これは、「悪いこと」と「良いこと」が表裏一体なので、どちらに転ぶかは日々の生活の一つ一つの行動に気を付けることで改善できるのではないかと思いました。
本書でも、脳に悪いことを止めることで、結果的に良いことになっている。というスタンスで書かれています。

 

例えば、目から入った情報は、まず、好き嫌いのレッテルを貼る。よって、その物事に興味関心を持つことが非常に重要である。と書かれています。
これは、本当その通りで、「楽しそうだな」「面白そうだな」「これを行うと今後自分に役立ちそうだな」とか、何でも良いので無理矢理理由を付けてでも興味を持てば、あとはその波に乗って行うことができる。
逆に、「楽しく無さそうだな」「面白く無さそう」「役に立たないだろう」なんて思っていると、行うどころか見向きもせず通り過ぎてしまう。結果的に、得られる情報も得られないで、入り口で閉じてしまう。

よく、仕事や趣味、男女の出会いでも、ほとんどは「出会えたキッカケに感謝している」というようなセリフを聞くことが多い。
キッカケを逃す習慣が癖ついているということは、自分にとって損をしている以外の何物でもないと感じています。そして、それはもちろん脳にも良くないということです。

なお、好きというレッテルが張られた情報は、脳の能力を最も高め、脳の処理を最大限に引き出してくれるそうです。
最初のステップをクリアするだけで、すでにこれだけ良いことがあるので、全て悪い習慣を止めれれば、最終的にどれだけ良いことになるのかというのは容易に想像が付きそうです。

悪いことを止めるだけで良い方向に好転していることは、逆を言うと、良いことをしなくても悪いことを止めるだけで良い。とも言えるので、そういう点では、気合いを入れて挑戦するというよりも、日々できることから取り組もうという気になれます。そういう意味だとハードルは高くないように思えます。

 

2. 脳医学の視点に基づく悪い習慣に対する根拠が明確で分かり易い

なぜ、ネガティブな発言はしちゃいけないのか?なぜ、言われたことだけをしていてはいけないのか?なぜ、大体終わったと緩んではいけないのか?

これらの疑問に対する回答は、ネガティブなことばかり言っていると、それが聞くに堪えなくて周りの人は離れていくからいけない。とか、受動的な行動ばかりだと、能動的に動けなくなるからいけない。
とか、今までの経験や知識に基づいた理由は思い浮かびます。しかし、思い浮かぶというだけで、明確に「なぜ?」の根本的な疑問に対する回答に当てはまるものはなかった。
それについては、本書では脳医学的観点から「なぜ?」の根拠を体系的・論理的に説明してくれるため、モヤモヤした疑問が腑に落ち、それをしなければならない明確な理由が知れて大変勉強になりました。

そもそも、脳には、「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」という本能があるそうです。その欲求に対して、背を向けることは脳にとってマイナスでしかなく、結果的に能力が発揮できなくなるといいます。欲求に忠実に応えるためにも、悪い習慣は止めるべきだと言っています。

 

3. 脳の仕事が順序立てられていて、読み手が追いやすい

脳の情報処理は以下のように説明されています。

目から入った情報は、「大脳皮質神経細胞」が認識し、「A10神経群」と呼ばれる部分に到達し、そこで感情のレッテルがはられる。その後、「前頭前野」に入り、理解・判断がなされ、自分にとってプラスの情報であると、その情報は「自己報酬神経群」に持ち込まれ、さらに自分にとってためになる、または価値あるものにするために「線条体 – 基底核 – 視床」、「海馬回 – リンビック」に持ち込まれる。その流れの中で、脳は考える機能を生み出している。

この順序で脳は情報を処理し、処理し終えた内容は記憶に定着し、さらにはその人の信念などを生むと言っています。
よって、悪い習慣を行うことにより、処理を追えずに脱落する情報が現れ、結果として記憶や思考されずに終わってしまうということです。

また、この流れの中で考えることやプラスの感情を持つことが重要で、思考を繰り返すことにより、心も磨かれると言っています。
知能とかそういった類だけでなく、感情や心も豊かに、プラスになっていくということこそが脳の能力なのかなと思いました。

 

まとめ

自己啓発目的で手にした本だけれど、思った以上に内容が充実して収穫が多かったです。
これを機に、僕も脳に悪い習慣を止めるよう、少しでも一つ一つの行動に注意しながら生活していこうと思いました。
その積み重ねで、今日より明日の自分が成長していますように。

 

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