
どうもタスです。
Webライティングの本を数冊購入して読んでいましたが、その最後の本を紹介したいと思います。
【今まで読んだ本】
今回紹介する本は、「伝わる・揺さぶる!文章を書く」になります。初めに言うと、この本はWebライティングに直接関係する本ではありません。もっと広く、文章を書くということはどういうことか?相手に伝わる文章とはどういうことなのかを言い、どのように考え、書いたらいいのか?に主眼が置かれています。
Webライティング向上を目的に本を漁った次第ですが、僕は最も興味を惹かれた本になりました。これは人生に役立つと言っても過言ではないかもしれません。だって皆さん何かしらの形で文章を書くでしょ?今までの話で興味を持った方は、是非一度手に取ってみては如何でしょうか?
では、本題に入ります。
この記事の目次
山田ズーニーさんとは?
山田 ズーニー(やまだ ずーにー、女性、1961年 – )は岡山県出身の文章表現・コミュニケーションインストラクター。
「ズーニー」とはカシミール語で「月」という意味で、北インドのカシミール地方を旅したときに地元の人につけられた名前である。 – wikipedia
1984年ベネッセコーポレーション入社。小論文通信教育の企画・編集・プロデュースに携わる。1995年それまでの進研ゼミ式小論文指導論を統合するオリジナルメソッドの開発を担当。通信教育誌「encollege小論文」の編集長として、高校生の考える力・書く力の育成に尽力する。2000年度独立。講演・執筆活動のほか、総合的学習時間等の授業企画、教育ソフトのコンテンツ開発などを手がける。人が持つかけがえのない力を生かし、伸ばすサポートをするのがライフワーク。著書多数。
実は、この本を途中まで読んだところで「山田ズーニー」さんを検索し、拝見しました。正直、勝手に男性(オジサン)だと思っていました…(笑)
なんでしょうね、、本の内容が女性的ではないというか、無駄がないというか、本質を突く内容のみしか書いてなくて、蛇足がない。そういった雰囲気を勝手に男性と決めつける僕もどうかと思うのですが、、、
※決して、その逆が僕の女性像だとは言っておりませんので…!!
女性だと知ってビックリ!なおさらこの本が好きになりましたし、ズーニーさんにも惹かれました(なおさらって言うのは、僕の妄想を裏切られたのでって意味です)。
本書の目次
プロローグ:考えないという傷
第1章:機能する文章を目指す
第2章:7つの要件の思考法
第3章:伝わる・揺さぶる!文章の書き方 – 実践編
第4章:より効果を出す!テクニック – 上級編
第5章:その先の結果へ
エピローグ:あなたと私が出会った意味
この本を読んだ結果得られるもの
冒頭にも書いたとおり、この本はWebライティングに特化した内容ではありません。むしろ、日々の生活で持っていた方が良い「考え方」が書かれています。書き方でもありません。すべては考え方です。
例えば、誰かに何かをお願いしたいためにメールを書くことはあるかと思いますが、それはどういう内容を書きますか?何のために書きますか?結果、どうしてほしいと思って書きますか?そして、それを伝えるためにはどういう順序で伝えますか?そうなんです。書くということは、考えるということなんです。考えて、整理し、その結果をアウトプットしているだけなんですね。
じゃぁ、どう考えたらいいの?そのポイントは?それらを詳細に、事例もふんだんに取り入れ、且つズーニーさんの今までの経験も教示してくれる内容になっています。よって、この本を手にする対象者は、僕のようにブログを書くために文章を勉強しようという人だけではなく、全ての人が対象です。
- 小論文の試験を受ける予定の人
- 会議の議事録を書く担当の人
- メールを使って仕事の指示をする人
- 相手に気持ちを伝える手紙を書きたい人思っている人
- 自分の気持ちを文章で発信したいと思っている人
挙げればキリがないですが、「想いを文章で表現する」機会がある人は是非読んでほしいなー。僕が書いたわけじゃないけど…(笑)
以下の記事でも書きましたが、仕事上、文章を書くことはとっても多いです。
その中で、文章が下手な人は資料構成も下手ですし、資料構成が下手な人は思考能力が弱いと思われます。なぜなら、資料は「思考した結果のアウトプット」だからです。よって、考え(思考)が弱いと判断されるんですね。と前置きが長くなりましたが、次からは本書をかいつまんでご紹介したいと思います。
冒頭から驚愕するほど共感した
プロローグから衝撃的内容でした。なぜかっていうと、プロローグに出てくる高校生が、当時の僕と被るからです。。。プロローグはどういう話かというと、ズーニーさんが当時担当した高校生の文章が酷かった。
その高校生の文章を改作してもらおうと、文章指導のスペシャリストに相談するもさじを投げられます。その原因は、そもそもその高校生が「考える」ということを理解していなかったからなのです。その高校生の文章は、「とりあえず」が多い文章で、とても真剣に物事を捉えようとしている内容ではなかった。
ズーニーさんは必死にどうしたらよいか考え、その高校生に会い、物事と真摯に向き合えるようなインタビューを続け、その後も自分と向き合い考えた結果を再度文章にすることを頼んで別れた。結果出来上がってきた文章が実に前出のものとは比べ物にならないほど良くなっていました(内容は本で見てね。。。)。
そうなんです、考えることをしないんですよね。僕もそうでした。「考えるという思考回路」が抜け落ちていた気がします。今思うと、高校生自分にこのことを理解していたら、どれほど自分の人生が変わっていたか…、、、
そのくらいリアリティーのある内容が最初から登場します。
良い文章とはなにか?
本書で度々出てくる言葉なのですが、それが何かを以下の問いから考えてみてください。「良い文章とは何ですか?」です。
よく「文章」とひとくくりにされるが、種類によって、ゴールも、良いか悪いかの基準も、トレーニング方法も、全く違う。 – 本書引用
おっしゃる通りですよね。書くための目的が違いますもんね。じゃぁ、その文章を見た人に対して、最終目標として何をしてほしいのか?どういう結果に導きたいがための文章なのか。ここが最も重要で、それを達成できなければ良い文章とは言えません。
そのためには、読み手の心を動かす必要があり、読み手を共鳴させること。読み手に、共感・納得・発見などの心の動きが生まれれば読み手自身の潜在力を揺さぶり起こすだろう。 – 本書抜粋
よって、「機能する文章」が良い文章といえると言っています。文章に働いてもらいましょう。
文章の基本構造
どんな文章を書くにしても、この3つの要素が欠けていた場合、相手に伝わることはないだろうと思っています。
論点
何について書くのか。自分が取り上げた問題は何なのか。話す内容の題目をハッキリさせましょう。
論拠
意見の理由。なぜ自分はそう思ったのか。どういう考えやどういう証拠があってその話になっているのかを事実関係も交えながら示しましょう。
意見
自分が一番言いたいこと。論点に対する結論。先ずは文章を書く前にこの3つをよく考え、整理しましょう。じゃぁ、どう整理するの?というところは、本書を読んでみて下さい。ほんと勉強になりますよ。
どう整理するの?:意見篇
問いを立てるエリアを時間軸(過去、現在、未来)や空間軸(自分、社会、世界)で広げていく。
どう整理するの?:論点篇
テーマと論点は違う。論点の集め方・絞り方・決め方。
どう整理するの?:論拠篇
説得のために視野を広げる。むやみやたらに自分の意見を押し付けてもとおりはしない。問題を多角的に見て、考察することにより論点や意見も変わる可能性がある。上記内容はほんの一部です。しかも、それぞれを詳しく語ろうとすると、この記事が何文字になるか分からないので、ぜひぜひ読んでみて下さい!(しつこいかも。。。)
その他タメになったフレーズ
ためになった内容をフレーズにしてお伝えします。ただし、本を読んだ結果、僕なりに咀嚼していることもありますので、ズレが生じていたらごめんなさい。。。
文章を批判的に見ることが重要
なんでそういう意見になったの?その論拠は正しいの?言っている内容は伝わるの?専門用語使い過ぎてない?など、自分の文章と向き合い、ロジカルシンキングをしながら推敲しましょう。
その文章は相手を歓ばせるか?
その文章を読むことで相手は歓ぶのか?僕はまさに本書を読んで歓びました。時間置いてもう一回読もう。
論点を共有すること
これが抜けていたら元も子もない。だけれど、これが一番難しい。そもそも論点は「問い」だけど、その論点を問うことが難しい。ただし、論点を整理でき、そして相手と共有する能力を鍛えれば鍛えるほど、文章も会話も思考能力すらも高くなっていくと思います。
正義だけでは思考停止する
「人間は殺人を犯す可能性があるので、凶器となるものはすべて廃棄しましょう」こういう意見はどうでしょうか?真っ当ですが、こんなこと言ったら思考停止してしまいますよね?
正しいということは理解できているけど、どうしようもできない。なので、その先を問いましょうよってことですよね。
良い発言をする人の背景には良い問いがある
「鋭い切り口」や「見る角度が違う」という言葉を聞いたことがあると思いますが、実際にそういう発言をする人はいますよね。それって自分では考えつかなかったことを思っているってことなんですよね。
でも、そういう人は特異な頭脳や閃きを持っているとかではなく、そういう結論が出る問いを自分に投げかけているということなんです。よって、良質な問い(論点)を自分と交わした結果、出た答え(意見)が素晴らしい回答になったということなんです。
そして、そのように考えれるということは、元々の議論になる本題を深く十分に理解しているからこそ、そこから一歩踏み込んで違う角度の問いができたということなんです。こういう鍛錬は思考を磨くための大変重要なスキルではないかと僕は思います。
読む気を引き出す文章の書き方
相手に「読みたい」と思わせるプラスの動機をつくること。
思考停止ポイントを発見する
自分の頭でものを考えるということは、絶対というものを持たず、不安定なまま、自分の内面、まわりの人間や状況に応じて、その場、できる限りのベストな判断をしていこうとすること。 – 本書引用
「なぜなら、社長がそう言ってたからです。」
「○○さんの仰るように…」(これは、自分の確固たる意見が先にあって、それの補足的使われ方であればいいのかなー)
と言ってしまうと、そこで思考停止して、次に進めなくなるので、時たまセルフチェックして停止していないか確認しましょう。そもそもこう言ってしまう人は、考える習慣がないのかもしれません。全ての言葉には背景があるので、なんでそう言ったのかを考えることはとても大事ですよね。
まとめ
今回は、「伝わる・揺さぶる!文章を書く」をご紹介しました。ハマれば1・2日で読めるのではないかと思います。そのくらい惹き込まれます。
文章の書き方もそうですが、物事に対する思考の仕方を教えてもらった気がします。こういう良書はどんどん広めたいですし、自分のバイブルとして持っておきたいですね。
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