【読概】ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ―ハイテク海洋動物学への招待

ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ―ハイテク海洋動物学への招待

どうもタスです。

本を読む習慣を始めてから6冊目を読了しました。

読むスペースは決して早くはないものの、人生で最も本を読んでいます。

読めば読むほどハマるので、とてもコスパの良い趣味になっています。

むしろ、読まないと若干不安になるくらい習慣になってきています。

これからも淡々と続けていこうと思っています。

ということで、今回は「ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ―ハイテク海洋動物学への招待」を読んだのでご紹介します。

 

佐藤 克文さんとは?

ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ―ハイテク海洋動物学への招待

覚悟の瞬間

1967年神奈川県生まれ。

東京大学大気海洋研究所海洋生命科学部門行動生態計測分野教授。

 

本書の目次

一章 カメが定温動物でトリが変温動物?

二章 浮かび上がるペンギンと落ちていくアザラシ

三章 研究を支えるハイテクとローテク

四章 アザラシは何のために潜るのか?

五章 ペンギンの潜水行動を左右するもの

六章 ペンギンはなぜ一列になって歩くのか?

七章 教科書のウソとホント

あとがき

 

研究そして水生動物愛が半端じゃない

ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ―ハイテク海洋動物学への招待

佐藤さんの文章を読んでいると、こちらまで元気付けられます。

とても研究が楽しそうです。

もちろん、「生物と無生物のあいだ」のように、研究者はヤクザな職業であることは本書からも感じる部分はありますが、それを超えて著者の動物愛と動物の謎への探求心と好奇心が表れています。

動物の生態や行動を記録するために、動物の体に取り付けるデータロガーという機器を用いるのですが、それ自体はハイテク機器ですが、それを取り付ける行為そのものはローテクです。

どうやったら動物は大人しく機器を取り付けさせてくれるのか?どうやったら動物自体を捕まえられるのか?

といったところは、経験と知恵だそうで、その内容を残すためにも本書を描いた意義はあると思います。

さらには南極隊の食事やお風呂、下の事情(排泄)まで赤裸々に教えてくれます。

相手が自然なので当然といえば当然で、南極に行くことは生涯無いとは思いますが、とても現実味のあるリアルなお話でした。

 

コラムをもっと読みたい

ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ―ハイテク海洋動物学への招待

また、章毎の合間に紹介されるコラムがとても面白い。

特に、日本人と外人の違いがとても印象的でした。

人に過度に気を遣う、忖度する日本人に対して、とてもドライな外人の気質は読んでいて良いなと思えるところでした。

また、外人のとても楽観的なこと。

そんなピンチなのに、おいしい料理のこと考える?みたいな(笑)

基本的に、佐藤さんも、その周りにいる研究者もとても研究を楽しもうとしている感じがヒシヒシと伝わり、こちらまで気分が高揚することが多かったです。

 

冒頭から教科書の内容を覆す大発見

ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ―ハイテク海洋動物学への招待

まさかのいきなり一章から教科書に掲載されている内容を覆す大発見をしてしまいます。

教科書を正として育ったので、その事実だけでビックリですよね。

小学校から高校までは、教科書検定というもので審査するため、ある一定の内容までは保証されているようですが、大学になると教科書を選定するのは担当教授が自分で行うようなので、必ずしも正しい内容は言えないようです。

そもそも、教科書に載っていることが100%事実なんてことはあり得ないわけで、しかも、水生動物はまだ謎が多く、解明されていない点が多いということなので、このような新発見が今後もあるかもしれませんね。

中学校の理科の教科書には、「爬虫類は変温動物。鳥類は定温動物」と記されている。ところが、自然環境下を自由に泳ぎ回る動物たちから、体温や経験水温を連続的に記録したところ、そんな常識をひっくり返すような結果が得られてしまった。

得られた記録によると、ウミガメは体内で生み出される代謝熱により、体温を水温よりも高く維持していたということになる。

 

研究の意義とその応用

ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ―ハイテク海洋動物学への招待

研究の意義を考えたことがあるか?

そんなことを陰で期待しながら研究を進めていくのは不純である。何かの役に立てようなどといった下心を持たず、おもしろい研究を突き進めていくのが、科学者として真摯な態度なのだと思う。

ということが書かれているように、大事なのは面白いことを真摯に探究する態度が大事だと仰っています。

地球環境に良いこと、皆が幸福になること、利益が期待できること、など何かの役に立つこと?正義なこと?は考えればきりがないですが、面白いと思ったことを探求した結果として、それらに結びつけばとても意義があるという考えなんではないかと思えるのです。

佐藤さんのこのような考え方は、著書に大変表れています。

「結果オーライ」「終わり良ければ総て良し」など、締めがよければよいとも取れかねないこれらの言葉ですが、締めが良いということは、それまでの過程も評価に値するということ。

そして、その締めは予想外の展開であっただろうことを考えると、もっと全てを楽観的に捉えることが大事なように思えてきました。

「博物学」や「バイオロギング」という学問があることも、面白いことを突き詰めた結果ですよね。

僕も「窮すれば通ず」というように、頑張っていれば案外意外な道が開けるかもしれないと思えてきました(思うようにしようと思いました)。

研究だけでなく、どの分野にも共通することではないかと感じました。

 

まとめ

あまり本題とはそれた内容ばかりを描いた気もしますが、本書は水生生物への調査や研究、そしてその結果など惜しげもなく記載されています。

「えっ?この現代にそんなことが分かったの?」と思えるほど、水生生物は何も解明されていないんだなと思ったのが実感です。

ほとんどを南極等の研究地で過ごされているようで、ほんと努力の積み重ねが本書を含めた成果につながっています。

面白い部分だけでなく、日々天候に関係なく海浜でウミガメを監視したことなど、苦行も含めて書かれています。

間違いなく動物研究者は本書をお読みになられることをお勧めします。

最後に、著者の熱い言葉を掲載して結いとします。

「求む男女。ケータイ圏外。わずかな報酬。極貧。失敗の日々。絶えざるプレッシャー。就職の保証なし。ただし、成功の暁には、知的興奮を得る」

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