【書評】エンジニアの仕事術[想像力と創造力の必要性]

【書評】エンジニアの仕事術[想像力と創造力の必要性]
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どうもタスです。

エンジニアとは技術者を意味しますが、技術者って何でしょうか?単にエンジニアって何でしょう?意外に漠然と使っていないでしょうか。本書は、エンジニアとは何かを明確にしたうえで、何が使命なのか、どうあるべきかを教授するとともに、本書の副題にもなっている一生食いっぱぐれないためのエンジニア像を伝えます。

そこで今回は、読書習慣を始めて70冊目の本として「一生食いっぱぐれないための エンジニアの仕事術(光文社新書)」を読了したのでお伝えします。

 

著者のご紹介

椎木 一夫(しいき かずお)
1971年、慶應義塾大学工学研究科修士課程修了。同年、日立製作所中央研究所に入所。工学博士。93年、慶應義塾大学理工学部助教授。94年、同教授。現在、同大学名誉教授。専門は固体物理、磁気応用、超伝導、ハードディスク。産業カウンセラー、キャリアコンサルタントなどの資格も持つ。

目次

序章 エンジニアほどやりがいのある仕事はない
第1章 エンジニアほど基礎が大事な仕事はない
第2章 エンジニアほどプロ意識の必要な仕事はない
第3章 エンジニアほど日々レベルアップの必要な仕事はない
第4章 エンジニアほど想像力と創造力の必要な仕事はない
おわりに

 

エンジニアとは?モノづくりを取り巻く環境

【書評】エンジニアの仕事術[想像力と創造力の必要性]

本書は、慶応義塾大学の研究者である著者が、エンジニア時代の経験をもとに「エンジニア像」を語ります。しかし、エンジニアに特化しているかと思いきや、謙遜な書物はいずれもそうだけれど、対象範囲をあまりにも限定した形で伝えています。

本書も多分に漏れず、「エンジニアの」という言葉が入っているけれど、すべての社会人に共通して言えることだと思います。各章の「エンジニア」の部分を自らに置き換えて話を読めばそれを理解できるでしょう。

そもそもエンジニアとは何なのでしょうか?私もSE(システムエンジニア)です。システムのエンジニアなのですが、それって何ですか?って聞かれると、実は簡潔に説明することが億劫になってしまいます。誰しもが分かるようにと考えるとなおさらです。本書では以下のように言っています。

自然科学や数学を利用してADRプロセスの全部、または一部を担う人

ADRとは、解析(A:Analyze)、設計(D:Design)、実現(R:Realize)の頭文字を取った言葉で、まさにモノ作りをする人ということです。しかし、モノづくりをする人を表現する言葉は以下のように他にもあります。

技能者(テクニシャン)は、日本語では、技術者とわずか一字違いのため、混同されることもあります。しかし、仕事の内容はまったく違います。技能者とは、いわゆる職人で、モノづくりの実作業に携わる人です。技能者は、必ずしも、自然科学や数学を必要とはしません。その技は多くの場合、知識として伝えるのが困難なことから、親方から弟子へ実際の仕事を通して伝承されます。

また、工学を実現するための自然科学や数学を極める科学者もモノづくりに貢献いていると言えるでしょう。そういう意味だと、技術者・技能者・科学者が持ちつ持たれつの関係でモノ作りをしていることが分かります。

 

プロのエンジニアとは

【書評】エンジニアの仕事術[想像力と創造力の必要性]

その中でも、エンジニアは「いつ誰がやっても同じモノができる、そういう技術を生みだすことが要求されます。」ものなのです。また、モノ作りは往々にして一人で実現できるものではありません。大抵は組織に属して、団体戦で作ります。そういう意味で、エンジニアはモノ作りだけできていれば良いというわけでもありません。さらに、

今の学生は、有名大企業に入る就社ではなく、文字通り自分のやりたい職業に就く就職を考えなければなりません。

プロのエンジニアとは、ルーチンワークをこなして給料をもらえればそれでいいと考えるサラリーマン根性の持ち主ではなく、仮に他社に移ったとしても、あるいは独立したとしても、メシを食っていけるだけの能力がある人のことです。

という言葉のとおり、「プロ」意識を持つことは、企業に依存せず自らで価値を出せるよう自立するためには必要なことです。それは、仕事するのにオフィスはいらないや、「いつでも転職できる」を武器にするでも実感させられたことです。

そのような背景から、本書は、エンジニアリングをプロとして、仕事とどう向き合ったらよいのか、エンジニアを取り巻く環境から仕事に対する姿勢、人間関係の大切さや働くということ、日々精進の大切さやイノベーションについてなど、エンジニアとして働いている人であれば、一度は目を通しておいて損はない内容になっています。

 

読後に自問自答してみる良い機会

【書評】エンジニアの仕事術[想像力と創造力の必要性]

本書を読んでふと考えると、果たして私はエンジニアなのだろうか?という疑問が湧いてきました。私はある機関の業務システムを開発・運用しているのですが、特別に最先端を追うような技術を駆使しているわけでもなければ、そのような技術を持っている訳でもありません。

対象ユーザーは機関の人に限られるし、閉じた世界なので、機関用にカスタマイズされたものしか開発もしません。今ではほとんどの開発も終えて、保守系の仕事が主になっています。今は本を読むことが楽しくて、技術の勉学は疎かになっています。

果たして私はエンジニアなのか?今後も私の仕事はエンジニアですと胸を張って言えるのか。甚だ疑問であり、今もあまり明快な答えが出ていません。少なくとも、私達が開発したシステムを利用して業務を行っている人たちがいて、さらに私もそのシステムをより良く改善しようとしているということは、工学技術を用いて人の役に立ちたいし、現に役立っているということを思うと、一先ず「エンジニアをしてています」と言ってもいいのかなと思った次第です。

本書は、エンジニア像の説明が微に入り細を穿っており、しかも、誰が見ても理解できるように明確に書かれているため、エンジニアであれば自分はそれに当てはまるのだろうかと自問自答してしまうことは間違いありません。

さらに、冒頭でも言ったとおり、仕事への姿勢なんかは全ての仕事人に共通する内容であるため、エンジニアに限らず自分を顧みる機会になるのではないでしょうか。

最後に、本書に登場したベル研究所の所長室に飾られていた額の内容を書いて終わろうと思います。私も含め、全ての人の心に残るように。

Less active, less free

これは、ものごとに積極的に取り組まないでいると、その人の自由度はどんどん減ってしまい、やりたいことがどんどんできなくなっていくという意味です。

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