【書評】ウェブ時代をゆく[ウェブ時代を生きるとは]

【書評】ウェブ時代をゆく[ウェブ時代を生きるとは]
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どうもタスです。

今ではウェブに対する抗体を当たり前のように持っているけれど、まだ何者かも分からない当時は、未知の世界、混沌とした世界、単なるバーチャルな世界と見られていた。しかし今では、抗体はその本質を捉えているのだろうか。

そこで今回は、読書習慣を始めて82冊目の本として『ウェブ時代をゆく いかに働き、いかに学ぶか(ちくま新書)』を読了したのでお伝えする。

 

著者のご紹介(本書引用)

梅田 望夫(うめだ もちお)
1960年生まれ。慶応義塾大学工学部卒業。東京大学大学院情報科学科修士課程修了。94年からシリコンバレー在住。97年にコンサルティング会社、ミューズ・アソシエイツを創業。2000年にベンチャー・キャピタル、パシフィカファンドを設立。05年3月より株式会社はてな取締役。

 

目次

序章 混沌として面白い時代(P9)
 一身にして二生を経る
 オプティミズムを貫く理由
 「群衆の叡智」元年
 グーグルと「産業革命前夜」のイギリス
 学習の高速道路と大渋滞
 ウェブ進化と「好きを貫く」精神
 リアルとネットの境界領域に可能性
 フロンティアを前にした時の精神的な構え
第一章 グーグルと「もうひとつの地球」(P35)
 営利企業であることの矛盾
 グーグルはなぜこんなに儲かるのか
 軌跡的な組み合わせ
 グーグルの二つ目の顔
 「もうひとつの地球」構築の方程式
 「経済のゲーム」より「知と情報のゲーム」
 利便性と自由の代償としての強さを
第二章 新しいリーダーシップ(P55)
 人はなぜ働くのか
 まつもとゆきひろが起こした「小さな軌跡」
 オープンソース成功の裏には「人生をうずめている人」あり
 ウェブ2.0時代の新しいリーダー像
 ウィキペディアのリーダーシップ
 「知と情報のゲーム」と「経済のゲーム」の間に起きる齟齬
 事業機会を失ってもコミュニティの「信頼」を
 なぜネットでは「好きなことへの没頭」が続けられるのか
 良きリーダーの周囲に良き「島宇宙」ができる
 総表現社会参加者層の台頭
第三章 「高速道路」と「けものみち」(P87)
 高速道路を猛スピードで走る少女
 日本のシステムで息苦しい思いをしている人のために
 「高く険しい道」をゆくには
 「見晴らしのいい場所」に行け
 高速道路を降りて「けのもみち」を歩く
 「五百枚入る名刺ホルダー」を用意しよう
 「流しそうめん」型情報処理、つながった脳、働き者の時代
 「けものみち力」とは
 正しい時に正しい場所にいる
第四章 ロールモデル思考法(P117)
 ロールモデル思考法とは何か
 なぜ「経営コンサルティング」の世界に進んだか
 ロールモデルの引き出しをあける
 「十九世紀初頭の新聞小説」とブログ
 日本の若者を応援するときのロールモデル
 自分の志向性を細かく定義するプロセス
 ブログと褒める思考法
 生きるために水を飲むような読書、パーソナル・カミオカンデ
 行動に結び付けてこそのロールモデル思考法
第五章 手ぶらの知的生産(P145)
 知のゴールデンエイジ
 世界中の講義・講演を瞬時に共有できる時代
 十年後には「人類の過去の叡智」に誰もが自由にアクセスできる
 手ぶらの知的生活
 これからの知的生活には資産より時間
 ネットは知恵を預けると利子をつけて返す銀行
 「文系のオープンソースの道具」が欲しい
 群衆の叡智を味方につける勉強法
 ネット空間の日本語圏を知的に豊穣なものに
第六章 大組織 vs. 小組織(P175)
 情報共有と信頼
 やりたいと思う仕事に自発的に取り組む
 情報共有と結果志向型実力主義
 有事には情報共有を前提とした組織になる
 小さな組織は情報共有で強靭になる
 小さな会社で働き、少しでもいい場所に移ろう
 「三十歳から四十五歳」という大切な時間を無自覚に過ごすな
 自らの内部にカサンドラを持て
 「古い価値観」に過剰適応してはいけない
第七章 新しい職業(P201)
 「新しい職業」と「古い職業」
 「新しい職業」の誕生を信じる人は「ウェブ・リテラシー」を
 オープンソースが生んだ新しい「雇用のかたち」
 「志向性の共同体」とスモールビジネスの経営
 スモールビジネスとベンチャー
 ビル・ゲイツの後半生を徹底肯定する
 世界の難題の解決にネットが本格的に利用される時代
終章 ウェブは自ら助くるものを助くる(P229)
 人口国家に似た「もうひとつの地球」ができれば
 より求められる「自助の精神」
 サバイバル優先、すべては実力をつけてから
あとがき

 

当時のウェブ時代と今のウェブ時代

【書評】ウェブ時代をゆく[ウェブ時代を生きるとは]

本書は2006年に発行された「ウェブ進化論」に対して、「その時代に生まれる新しい生き方の可能性」をまとめたものである。そういう私は、まだ「ウェブ進化論」を読んでいない。けれど、本書を読めばどのようなことが書かれているかは大体察しが付く。福沢諭吉の「西洋事情」と「学問のすすめ」が対になっている構成と同じ意味だそうだ。

本書は2007年に発行された本で、すでに約13年が経った。本質的なことは本書に書かれていることと変わっていない。むしろ、さらに増幅したように感じる。変わったことと言えば、ウェブを取り巻くインフラのスペックが格段に変わった。パソコンのスペックからネットワークの容量、様々なウェブサービスも増えたからだ。

本質が変わっていないと感じる理由は、本書に書かれていることが今でも新鮮に感じるからである。なぜだろう。たぶん、ウェブの恩恵を受動的にしか捉えていないからだと思う。私は様々なウェブサービスを利用して知的生産(といっていいのだろうか…)を行っている。

公私ともにである。このブログもそこに入れている(本当にそう言っていいのか不安…)。けれど、オープンソースやウィキペディアのように、能動的に何か大きなものを作っている感じはしない。突き抜けてもいない。プロでもない。そういったところが受動的と感じる理由なのだろう。

 

今のウェブ時代に生きるということ

【書評】ウェブ時代をゆく[ウェブ時代を生きるとは]

本書でウェブ時代を生き抜くためのウェブ・リテラシーはレベルが高い。もちろん、私も備えていない(中途半端に備えている)。本書には以下のことが書かれている。

  1. ネットの世界がどういう仕組みで動いているのかの原理は相当詳しく徹底的に理解している。
  2. ウェブで何かを表現したいと思ったらすぐそれができるくらいまでのサイト構築能力を身につけている(ブログ・サービスを使って文を書くとかそういうことではなくて)。
  3. 「ウェブ上の分身にカネを稼がせてみよう」(『ウェブ進化論』第一章)みたいな話を聞けば、手をさっさと動かしてそこに新しい技術を入れ込んだりしながらサイトを作って実験ができる。広告収入の正確な流れも含め「バーチャル経済圏」がどういう仕組みで動いているかの深い理解がある。
  4. ウェブ上に溢れる新しい技術についての解説を読んで独学できるレベルまで、ITやウェブに対する理解とプログラミング能力を持つ。

確かに、ウェブ上で能動的に生きるとは、自由に何でも行えるスキルがあることを言うのだろう。そして、何でもできるということは新しい道を想像できることを指す。そして、今あるウェブサービスは、そこに「勤勉の継続」や「自助精神」を足した結果、出来上がったと言っても良い。

本書に登場するウェブ時代をゆく人々は、強烈な志向性と果てしない勤勉の末、今の地位を築いている。ベクトルが強いことも重要なのだけれど、継続する能力もずば抜けている。

私は全くずば抜けていない。けれども、継続する資質はある(と思っている)。なにより、読書は好きである。マネタイズされてはいないけれども、志向性を継続していく楽しさは止められない。ウェブ時代をゆく人たちの気持ちを少しでも感じ取れたかな。

 

インターネットとは

ウェブを知るにはインターネットを学んでおくべきだろう。

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