【書評】組織を強くする 技術の伝え方[伝え方の技術でもある]

【書評】組織を強くする 技術の伝え方[伝え方の技術でもある]
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どうもタスです。

仕事であれば、部署異動や転職による引継ぎ、後輩への指導、研修による学習、親であれば、子どもへの躾や教育、学校であれば、学生へ学習や部活動の指導、このように、相手へ情報を伝える場面は枚挙に暇がありません。

そんな中、どうやったら相手に伝わりやすい方法をとれるのか。本書はその答えをシンプルに、そして網羅した形で教えてくれます。そこで今回は、読書習慣を始めて79冊目の本として「組織を強くする 技術の伝え方(講談社現代新書)」を読了したのでお伝えします。

 

著者のご紹介(本書引用)

畑村 洋太郎(はたむら ようたろう)
1941年、東京都に生まれる。東京大学工学部機械工学科修士課程修了。東京大学大学院工学系研究科教授を経て、現在工学院大学グローバルエンジニアリング学部機械想像工学科教授。東京大学名誉教授。2001年より畑村創造工学研究所を主宰。同年より、文部科学省「失敗知識活用研究会」の実行委員会総括も務めている。また02年より特定非営利活動法人失敗学会を立ち上げ、初代会長に就任。

 

目次

はじめに
序章 「技術」とは何か
第1章 なぜ伝えることが必要か
第2章 伝えることの誤解
第3章 伝えるために大切なこと
第4章 伝える前に知っておくべきこと
第5章 効果的な伝え方・伝わり方
第6章 的確に伝える具体的手法
第7章 一度に伝える「共有知」
終章 技術の伝達と個人の成長
「技術を伝える」を巡るおまけの章
おわりに

 

伝える方と伝えられる方の両方に有意義な書

【書評】組織を強くする 技術の伝え方[伝え方の技術でもある]

本書は「技術」の伝え方に終始していますが、対象は技術に限りません。もっと抽象的に言うと、話をうまく伝える方法と言っても良いと思います。それだけ、「伝える」ことに普遍的であり、効果があると思いました。

しかし、なぜ「技術の伝え方」なのかというと、対象となる「技術」がとても大切なことだからです。これがなければ人類の進歩はないとまで言っています。それもそのはず、技術に支えられている現在は、過去から伝えられた技術によって成り立っているからです。

その意味で、著者の専門である失敗学を事例に、技術を伝えるということ、そして、伝えられて習得するということの両面において、個人及び組織(集団)のケースにおける具体的な活用方法を教えてくれます。

これは、教えたのに覚えてくれない。身に付いていない。習得できていない。期待した結果が得られない。こうした結果に悩んでいる全ての人、そして、反対にどうやって学んでいくべきか模索している人にまで有意義な内容になっています。

 

伝えるための5つのポイントとその概要

【書評】組織を強くする 技術の伝え方[伝え方の技術でもある]

そもそも、ここでいう技術とは「知識やシステムを使い、他の人と関係しながら全体を作り上げていくやり方」のことを言っています。そのため、個人で行うことは技術とは呼んでおらず、技能と言っています。職人さんが黙々と作業しているようなイメージですね。

この定義が組織の中の個人であったり、全体の中の部分であったり、仕事の社会的意義を考えることであったり、個人知と共有知であったり、伝えることの応用性を増しています。

本書では「伝えるための5つのポイント」を以下のとおり定義しています。

  1. 先ず体験させろ
  2. はじめに全体を見せろ
  3. やらせたことの結果を必ず確認しろ
  4. 一度に全部を伝える必要はない
  5. 個はそれぞれ違うことを認めろ

これは本当どれが最も大事とかいうことではなく、全てが大事なポイントだと思います。体験させることで実際の感覚を掴めるし(机上の空論では得れないものです)、全体を見せることで改めて自分の役割や必要性を感じることができるし、結果を確認することで実際に伝わったかどうかが分かります。

また、一気に全てを教えることは事実上不可能だし、相手もパンクします。そもそも段階的に学ぶからこそ色々な附属知識も吸収できるものです。最後のポイントは言うまでもないですね。まさに、現代教育現場の問題点ではないでしょうか。

 

伝えることの成功とはどういった状態か

【書評】組織を強くする 技術の伝え方[伝え方の技術でもある]

「伝えるための5つのポイント」とその概要だけをお伝えしましたが、これだけでもとても重要なことだと理解できたでしょうか。5つの中で、こう教えればよかったのかとか、こう教えられてタメになった、タメにならなかったなど、いくつかは思い当たる節があるのではないでしょうか。

あくまで、このポイントは章題みたいなもので、本書では実際にこういう試みをした、こういう話を聞いたなど、それぞれのポイントに具体的な内容が書かれています。

私が特に参考になった点は、明文化が難しい部分の扱いです。例えば、伝え方の最重要ポイントは、『教えられる側の「受入れの素地」を作ること』だったり、暗黙知の表出であったり、個の独立(自主的で能動的であること)であったり、気(雰囲気)を含めた伝達が必要であることなどです。

そういったことを文章にして気付きにしているだけで十分感化させられますが、こういった、マニュアル化、標準化し辛いことを上手に扱える人こそが伝達の達人であると私は思っています。なぜかというと、伝えることの成功は、「伝わったこと」だからです。結局、伝わっていなければ、理解していなければ、伝える側の自己満で終わっているも同然だからです。

何事も本質を見ることが重要で、「技術の伝え方」においてもそれは変わりません。本書は、技術の伝え方の方法論だけでなくマインドセットすら改めてます。私も本書に出てくる偽ベテランにならないように、自己研鑽を継続していきたいです。

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