【書評】数学入門(上)[読み物という新しい参考書]

【書評】数学入門[読み物という新しい参考書]
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どうもタスです。

学び直したいと思っている人であれば、これほど強烈なタイトルはないであろう本書は、タイトルどおり「数学の入門書」になっている。しかし、私が知っている参考書とは幾分違っていて、数式を覚えるだけの内容ではない。

その理由は、なぜこの数式が必要だったのか?まで掘り下げて説明する。さらに言うと、数字は何で必要なの?という数学の根源に立ち返った本書は、やはりその書名に負けていない。

そこで今回は、読書習慣を始めて63冊目の本として「数学入門(上)(岩波新書)」を読了したのでお伝えします。

 

著者のご紹介

遠山 啓(とおやま ひらく)
1909年 – 1979年。1938年東北大学理学部卒業。日本の数学者。東京工業大学名誉教授。専攻-代数学。

 

目次

Ⅰ 数の幼年期
Ⅱ 分離量と連続量
Ⅲ 数の反意語
Ⅳ 代数-ずるい算数
Ⅴ 図形の科学
Ⅵ 円の世界
Ⅶ 複素数-最後の楽章

 

読み物という新しい参考書を読了せよ

【書評】数学入門[読み物という新しい参考書]

本書は1959年に発行され、今では70を超える版数になっている。その数字は、本書がどれだけ素晴らしいかを端的に表現している。また、岩波新書で、普通名詞に近い、奇をてらっていないタイトルの本は面白いという証明が本書からも十分理解できる。

本書の目的は、

20世紀後半の世界ではこれまでになかったほど数学が活用されるかもしれない、いや、もうそのような時代がすでに始まっているともいえよう。そうなるとある程度までの数学を身に付けていることは、これからの世界に生きていくための不可欠の条件であると言ってよい。

様々な場面で数学が必要なのは、今日では言うまでもない。本書にも出てくる「分析と統合」。その概念は種々の業種や職種で応用されている。もっと言うと、上記のように普段の生活の中でも利用されていることなのです。そういう意味で、本書は以下の点に配慮した作りになっている。

数学のなかで使われている論理ももとをただせば日常生活に現れる論理と別物ではない。ただそれがいくぶん精錬されているだけのことである。(中略)この本では、一見なじみのうすい述語のカラに封じこめられた論理を日常の論理に引きもどすようにつとめた。

数学の理論は、もとを正せば日常の事物を表したもので、それを研磨洗練し磨き上げたものなので、日常に応用できることは自明のことなのだと。そのため、その役を著者が担ってくれるというのです。

確かに、この「はじめに」に書かれているとおり、本書は日常の生活に応用して分かり易い内容になっている。それは、本書が参考書でありながら読み物の体を成していることが理解し易さの一因であると私はみている。一見、数学が分からなくても、説明の語らいが数式の解説を助けてくれるからだ。

そのため、私のように数学が苦手な方でも、先ずは読み物だと思って本書を読了してみるもの良いと思う。読んだ後に、分からなければWeb等で深堀すれば良いだけなのだから。とは言っても、読むだけで概念だけは掴めるようになっている本書は素晴らしい参考書であることは間違いない。

最後に、著者の数学を学ぶことに対するエールを添えて終わりとする。

デカルトは「この世の中でもっとも公平に分配されているのは良識である」といったが、数学の土台になる考え方も、万人が共有している良識以外の何ものでもない。だから数学を勉強していくためには誰もが持ち合わせている良識と、それに多少の根気が必要なだけである。

 

一緒に数学入門(下)もお勧めする。

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