【書評】世界の仕組みを物理学で知る[知らないことの謎を知る]

【書評】世界の仕組みを物理学で知る[知らないことの謎を知る]
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どうもタスです。

CDのジャケ買い(死後か…)ではなく本のジャケ買いをした本書「文系でもよくわかる 世界の仕組みを物理学で知る(山と渓谷社)」について、読書習慣を始めて37冊目の本としてお伝えする。

表紙から好奇心がそそられたのだが、内容は物理学及び物理法則の概要を身近な現実の出来事に例えて解説してくれてる。物理法則が分からなくても内容が入ってくるかと思う。1章ずつが読み切りになっているので、好奇心旺盛な方であれば隙間時間にでもどうぞ。

 

著者のご紹介

松原 隆彦(まつばら たかひこ)
高エネルギー加速器研究機構、素粒子原子核研究所・教授。博士(理学)。京都大学理学部卒業。広島大学大学院博士課程修了。東京大学、ジョンズホプキンス大学、名古屋大学などを経て現職。主な研究分野は宇宙論。日本天文学会第17回林忠四郎賞受賞。

 

目次

1章 物理学で世界の見方が変わる
2章 物理学者の正体
3章 空の上の物理学
4章 私たちは何を見ているのか –光の話–
5章 すべては粒子でできている –素粒子、原子、分子の世界–
6章 時間はいつでも一定か –相対性理論を考える–
7章 意識が現実を変える? –量子論の世界–
おわりに –この宇宙は、人間が生まれるようにできている?

 

物理学を学ぶということ

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本書は4章辺りから徐々に物理学の本論に入ってくる。光、素粒子、相対性理論、量子論、どれをとっても概要だけの解説でも理解するのは難しい。私たちを含むこの世界は全て素粒子から成っており、しかもそれは宇宙の誕生からすでに存在したという。

私たちは命が尽きたら荼毘に付され、体を構成していた酸素や炭素、水素、窒素などは気体となって地球にばらまかれ、そのうち他の生物などに取り込まれながら、どこかでリサイクルされていく。いわば輪廻のようなものだ。

輪廻転生は物理学では常識であるのだ。これだけをとっても、物理学というのは魅力がありロマンがある。漫画やテレビ、ゲームなどで耳目したこと(輪廻転生など)が客観的にそして正確に定義されている。漫画やテレビ、ゲームは物理学からヒントを得て発信しているのだから、その元をあたることはその本質に迫るということである。話題の地球外生命体も物理学の研究対象であり、実際に生命が生息できそうな地域「ハビタブルゾーン(居住可能)」も見つかっている。

太陽系でハビタブルゾーンにある惑星は地球だけだが、惑星のまわりを回る「衛星」のなかには、表面を覆う氷の下に水(海)があるもの(木星の衛星エウロパ)、水ではないが液体のメタンが地表に存在しているもの(土星の衛星タイタン)などが見つかっている。

一方では、哲学的な要素に解釈ができる領域もある。以下がまさにそうである。

見るということは、反射した光を受け取ることであり、その刺激が脳に信号を送り、脳内で映像を構成することである。そう考えると、見えている(と感じている)ものが真実とは限らない。

私たちが見ている現実は現実なのだろうか?色も形も個々人で見える世界が違うかもしれない。物理学を知っていくと、物の本質が腑に落ちる気持ち良さと常識が覆される気持ち悪さの両方を味わえる。相殺されるのかと思いきや、そのどちらも快感になるからさらに好奇心が増すのだろう。

 

好奇心や探究心を満たす手段

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著者の物理学者へのいきさつは興味深かった。それは在り来たりだけれど、以下の言葉に集約されるのだ。

では、なぜ、私は物理学者になったのか。遡って考えると、子どもの頃から生活のなかで湧いてくる「なぜそうなるのか」を突き詰めることが好きだったのだと思う。

そして田舎に住んでいたことも大きかったという。聞いたことがあるなと思ったら、出口 治明氏と同じ境遇だなと。好奇心や環境がその人を決める要因になるとは一概には言えないけれど、共通点があるということに何か考えさせられた。

今は田舎でもインターネット環境さえあればモノやサービスは満たされる。昔ほど都会との差が無くなってきている。人は裕福なほど欲求が無くなる傾向にあるという。モノやサービスが満たされた現代では、好奇心や探究心などの精神欲求が物欲に増すのではないか。それらを埋める手段が無数にある今は裕福な時代なのだと感じた。

 

ミクロな世界は摩訶不思議な量子論

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話しは脱線したが、本書の7章で解説される量子論は大変興味深かった。量子というと、量子コンピュータを真っ先に思い浮かべるが、それも応用技術の一つというだけだ。量子論は複雑怪奇で面白いけれど、何か不安を感じる理論でもある。量子というのは、量子自体を観測していない間の振る舞いは予測不能で観測不能だが、観測した時点での結果は明確になる。結果は明確だが、それまでの行いは分からないのだという。

特に、ヒュー・エヴェレット3世の「多世界解釈」という考え方はとても面白い。

あり得る観測結果の数だけ、別々の結果を見ている別世界の観測者がいることになり、ひいては、人間が観測するたびに世界が分裂するとも解釈することができる。
この多世界解釈が正しいならば、一瞬一瞬で分裂していくわけだから、世界は無数に存在していることになる。パラレルワールドが無数に存在しているようなものである。

個々人でこの世の観測結果が異なるわけで、それぞれの世界があるというわけである。私が認識している世界は、私が行った振る舞いの中から選んだある一つなだけであって、他にも無数にあるということだ。であるならその他の世界も見たいが、結果だけが見れてその他の振る舞いは観測不能なのである。

私は度々デジャブを見る。予知夢とまではいかないが、現実で行動をとった後に「この景色、この発言、この行動、見たことあるな…」と感じることが多々ある。たまに、私が発言する前にデジャブを感じることもあり、その際に次の発言が夢と異なることを言ったならば、その後の運命が変わるのかと思うことさえある。その場合、夢で見た発言を意識するからか、デジャブの発言をすることが多いのだが、たまに違った発言ができるときがある。

一つ一つのデジャブは今鮮明に覚えている訳では無いので、発言後のデジャブと現実に乖離があったかどうかまでは思い出せないが、これも一種の多世界解釈と見ていいのかと思った。デジャブ通りの発言と、現実世界で敢えて変えてみた発言とで少しは人生が変わったのだろうか。とても哲学的な学問だなと感じた。

 

おわりに

物理法則を知っていると現実の捉え方も幾分変わって見えてくる。何気なく利用しているスマホやパソコンも原理を知っていると随分助かることもあるはずだ(特に故障とか)。知識は複利効果があるので、知れば知るほど面白い。物理学は確固たる印象だったが、本書を読んで捉えようのない学問であることを知った。本書を読んで、物理学と現実の接点を感じれたのは幸いである。

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