【書評】出口さんによる教養とその活かし方[本物の教養]

【書評】出口さんによる教養とその活かし方[本物の教養]
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どうもタスです。

【書評】考える知識を豊かにする。1日1ページ読むだけで身につく世界の教養365」を読んだ流れで、出口治明氏の「教養とは何か?」を即ポチ(Kindle Unlimited)してしまいました。

そもそも、「教養ってなに?知識人のことをいうの?それ以外のことも含めて教養っていうの?」のように、教養って言葉は曖昧で明確な定義が無いように思います。むしろ、教養っていうだけで頭が良いようなイメージが先行している節さえあります。

本書では教養の本質的な解説と、それがなぜ必要なのか、そして、出口さん流教養の鍛え方などが書かれています。出口さん自身、読書が大好きなようで優に一万冊は超えているそうです(本書に記載あり)。そのあたりのお話もされています。

そして、特に最終章は必見です。仕事でお悩みお方は「教養」云々抜きに読んでいることをおススメします。結局、そこらへんも教養に絡んでくるのですが。ということで、今回は読書習慣を始めて22冊目の本になった「人生を面白くする本物の教養(幻冬舎)」についてお伝えしたいと思います。

人生を面白くする 本物の教養【電子書籍】[ 出口治明 ]
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著者のご紹介

出口 治明(でぐち はるあき)
1948年4月18日三重県生まれ。ライフネット生命保険株式会社創業者(本書執筆時は代表取締役会長兼CEO)。現在は立命館アジア太平洋大学学長。

本書でも日本の学生(学生だけでは無いですが)がグローバルビジネスで生きていくために圧倒的に教養が足りていないことを憂いでおられたので、立命館アジア太平洋大学が学長をやられているのですね。

 

目次

第1章 教養とは何か?
第2章 日本のリーダー層には勉強が足りない
第3章 出口流・知的生産の方法
第4章 本を読む
第5章 人に合う
第6章 旅に出る
第7章 教養としての時事問題――国内編――
第8章 教養としての時事問題――世界の中の日本編――
第9章 英語はあなたの人生を変える
第10章 自分の頭で考える生き方

 

教養とは何か?

【書評】出口さんによる教養とその活かし方[本物の教養]

Wikipediaでは以下のように説明されています。

独立した人間が持っているべきと考えられる一定レベルの様々な分野にわたる知識や常識と、古典文学や芸術など質の高い文化に対する幅広い造詣が、品位や人格および、物事に対する理解力や創造力に結びついている状態を指す。

すでに冒頭の疑問に対して半分くらいの回答になっていますが、教養とは「知識」がある人ではありません。もちろん、知識が無ければ今日も無いのですが、クイズマスターや豆知識王が教養のある人とイコールになるわけではないのです。

では、出口さんは教養をどのように考えているかというと、

私の答えは「教養とは、人生におけるワクワクすること、面白いことや、楽しいことを増やすためのツールです」という一言に尽きると思います。よりワクワクする人生、より面白い人生、より楽しい人生を送って、悔いなく生涯を終えるためのツール、それが教養の本質であり核心であると私は考えています。

と言っています。「ワクワクすること」や「面白いこと」辺りがポイントになるのですね。さらに言うと、知識は手段で教養が目的であると言っています。教養を得る、教養を持つための手段として知識が必要なのです。また以下のようにも言っています。

教養のもう一つの本質は、「自分の頭で考える」ことにあります。著名な科学史家の山本義隆氏は、勉強の目的について「専門のことであろうが、専門外のことであろうが、要するにものごとを自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見を表明できるようになるため。たったそれだけのことです。そのために勉強するのです」と語っています。この当たり前のことが、案外置き去りにされている気がします。

「知識は手段で教養は目的」の本質がより具体的に明らかになった感じですね。かくいう私もそこら辺については「【書評】自分を持つための科学リテラシーを。「中卒」でもわかる科学入門」で語ったとおりです。まさか、前回記事というより前回読了した本にこれほど内容が近くなるとは思っていませんでした。

 

教養を培うための3要素とは

【書評】出口さんによる教養とその活かし方[本物の教養]

出口さん流教養のお話をしたところで、では、その教養はどのように培われてきたのかというと、以下のように仰っています。

私にいくばくか教養のようなものがあるとすれば、それを培ってくれたのは、「本・人・旅」の三つです。私はこれまでの人生で、「本・人・旅」から多くのことを学んできました。あえて割合を示せば、本から五〇%、人から二五%、そして旅から二五%ぐらいを学んできたといったところでしょうか。

「本・人・旅」から教養を学び、今現在も学び続けていると言っています。特に、読書は小さい頃から好きなようで、冒頭でも言ったとおり一万冊以上読んでいるという強者です。ライフネット生命時代から書評も始められたそうで、必ず日に1時間は読書をするルールを設けているそうです。

 

教養を勉強するために各章を俯瞰する

【書評】出口さんによる教養とその活かし方[本物の教養]

ここで、本書を読み進めるにあたって、目次と教養の関係について簡単に整理したいと思います。

第1章は、教養とは何か?本質的には考えることで、それができない状態を取り上げることで必要性を説いています。

第2章は、欧米と日本の比較を教養を基に的確に行っています。特に、日本の戦後の経済発展を「キャッチアップモデル」「人口増加」「高度成長」のキーワードで、ガラパゴス文化の根付きを「終身雇用、年功序列、定年」のキーワードで解説していますが、これがとても面白い。ここ数年になってこの負の連鎖から脱出する試みが行われているが、なかなか難しそう。

第3章は、出口さん流の教養会得方法を解説してくれますが、これもとっても面白い。

物事を考えるには、いくつかのコツがあります。その第一は「タテ」と「ヨコ」で考えるということです。「タテ」は時間軸、歴史軸、「ヨコ」は空間軸、世界軸です。「タテ」と「ヨコ」で考えることは、時間軸と空間軸という二つの視点を交えて、いわば二次元で考えるということです。

「国語」だけでは真の解は得られません。あらゆる問題は「算数」つまり「数字・ファクト・ロジック」によって検証されなければならないのです。

など、教養を得るためのヒントがこれでもかというほど散見されます。特に、「数字・ファクト・ロジック」なんかは、「【書評】自分を持つための科学リテラシーを。「中卒」でもわかる科学入門」でいう科学リテラシーそのものではないでしょうか?その他にも物事はシンプルに捉える「木を見て森を見ず」になるなだったり(これも「【書評】自分を持つための科学リテラシーを。「中卒」でもわかる科学入門」で、「最小作用の原理」を用いて同様のことが語られています)、本章はTipsを得るための章になっています。

第4章~第6章は、出口さんが教養を培ってくれた「本・人・旅」について、出口さんの人生と教養の大切さを織り交ぜながらお話ししてくれます。

第7章~第8章は、「自分の頭で考える」教養を培うための時事問題を取り上げています。ここで特に勉強になったのは「シラク三原則」。これはフランスの少子化対策なのですが、ここまでしないと少子化は解決できないだろうなと思わせる良案。内容は以下の記事を見て頂くこととして、本書でも掘り下げて説明してくれます。あとは、その逆の超高齢化対策案として「年齢フリー原則」も実施するべきかと思いました。ただ、これに絡ませてベーシックインカムにも言及してほしかったなと思いました。

第9章は、グローバルで生きるため、教養のための知識を得るためには「英語」を習得しましょうという話です。ここまでの話を読んだ後だと切実ですね。

 

人生に対する仕事と教養

【書評】出口さんによる教養とその活かし方[本物の教養]

第10章とは、、、

一区切り置いて、ここで第10章についてお話ししたのは、最終章はこれまでの流れから若干変わったように感じたからです。これまでの章は、教養とはなにか、その身に付け方と出口さんの考え方みたいな切り口でしたが、本章はどっぷり仕事観について語っています。

とはいえ、その仕事観すら教養と結びついているのですが、出口さんの超合理主義的な発想は読んでいてとてもシックリきました。例えば、

一年は何時間あるでしょうか。一日二四時間×三六五日で八七六〇時間です。では、そのうち仕事をしている時間はどれくらいかというと、残業を入れてもせいぜい二〇〇〇時間程度です。ということは、私たちが仕事に費やしている時間は、八七六〇分の二〇〇〇ですから二割ちょっとにしかなりません。

だから、もっと楽観的に考えて、仕事とは敢えて言うなら「どうでもいいもの」と言い切ったり、

私は従業員を無条件に信頼しているので、彼らが「これは出口さんに出てもらったほうがいい」と判断したら自由にスケジュールを埋めてもらい、私はその予定通りに動くようにしています。

といって、自身のスケジュールをオープンにして従業員が自由に埋めて良いことにしていたり、採用試験も論文形式にしており、合格基準は、

結論はあまり重視していません。私たちが注視するのは、その人がどういう数字を用い、どういうファクトを重視し、どういうロジックを積み上げているか、という点です。要は、どれだけ自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見を語っているかを見るのです。

と「自分の頭で考える」ことのみに絞っていたり。最たるものとしては、

会議ほど無駄の塊はないというのが私の考えだからです。極論すれば、さしたる用件もないのに、形式的に週一回などと定期的に集まるのは愚かとしか言いようがありません。

私は合理主義者で実質主義者です。何事につけても形式的なことは大嫌いです。無意味な形式に時間と労力を割くのは人生の無駄だと思っています。

とまで言っています。ほんと痛いほどよく分かります。これら全てに当てはまるのは「自分の頭で考える」こと。そう考えると、今の仕事に不満や不安、体調にまで不調をきたしているような方は、『出口さんの言う「どうでもいいもの」』に見切りをつけて自分の頭で考えて次なる行動に移すのもありかなと思いました。

 

おわりに

出口さんは、本を読んだり学生時代の(女性の(笑))絵画に関心を持ったことから、歴史や芸術が大好きだそうです。色々なことに興味を持ち、貪欲に吸収している姿があって教養を得られるのだなと感じました。とにかく自分を持つことが重要という私の信念に誤りはないなと実感できたことは励みになりますし、色々な他意見を吸収し、さらにアップデートしていきたいなと思いました。

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教養を得るための科学リテラシーは如何ですか?

本書では物事の考え方に「数字・ファクト・ロジック」の3要素を以って考えることを推奨していますが、これと同じようなことを「「中卒」でもわかる科学入門」では科学リテラシーという概念でお話しされています。行きつく先は同じですが、切り口が異なって面白いので一読をおススメします。

 

類書

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全世界史 下巻 出口治明/著
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こちらは下巻になります。

 

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ライフネット生命の創業者だけあって、本書はとても気になります。

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