【書評】となりのクレーマー「苦情を言う人」との交渉術

【書評】となりのクレーマー「苦情を言う人」との交渉術
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どうもタスです。

新書が読みやすく、読むだけで大変楽習になるというのは「新書がベスト」で分かったことである。そして、新書大賞なる賞があることをご存じだろうか?

読書かであれば知らない方はいない章であろう。ということで、新書大賞からいくつか選定して本を調達した。

そこで今回は、読書習慣を始めて134冊目の本となった『となりのクレーマー「苦情を言う人」との交渉術(中公新書ラクレ)』を読了したのでお伝えする。

 

著者のご紹介(本書引用)

関根 眞一(せきね しんいち)
1950年埼玉県越生町生まれ。西武百貨店池袋店入社。つくば店開店、池袋店趣味雑貨統括担当などを経て、全国3店舗のお客様相談室長および池袋店のお客様相談室を担当。03年同社退社。「NPO法人歯科医療情報推進機構」事務局次長を経て、メデュケーション代表取締役。『日刊ゲンダイ』にコラムを連載、NHK「ラジオ夕刊」などに出演。また、大阪大学、財務省、歯科医師会、県教頭会、全国ショッピングセンターなどで講演多数。著書に『苦情学』(恒文社)がある。

 

目次

はじめに –苦情学は人間学
クレーマーとは
第一章 クレーマー物語 –絡まった糸はなかなか解けない
 第一話 結婚指輪
 第二話 六〇日の攻防…そして
 第三話 ヤクザとの対決
 第四話 軟禁事件
 第五話 婦人服売り場の怪事件、三題
 第六話 賞味期限
 第七話 靴下問答
 第八話 二人のクレーマー ~銀行員と公務員
 第九話 被害額は二円?
第二章 苦情社会がやって来た!
第三章 クレーム対応の技法
○コラム
あとがき

 

苦情学は人間学。人間を相手するものである。

【書評】となりのクレーマー「苦情を言う人」との交渉術

「はじめに」の副題を見てみよう。「苦情学は人間学」というシンプルなものだ。実は、本書はこの言葉で全て表すことができる。苦情は「文句」や「恐喝」や「批判」など単体要素で存在しない。そう、まさに人間そのものなのである。

当たり前だが、人間は生きている。生きているから流動的である。そのため、生きているクレームそのものも流動的なのである。では、クレームに対してどうすれば良いのか?これは第三章に譲るとして、こんな問いを自問してみると良い。

「あなたは人間に対してどう接しますか?」接しなければならないとしたら、相手を観察し、その流動性を加味した上で相手に接するであろう。その接し方こそがクレーマー対応の極意なのである。

それがいかに難しいかは本書を読めばいやというほど理解できる。関根氏及び上司、同僚、部下の関係社員皆総出で人間ストーリーに立ち向かっている。

 

クレーマー対処の最悪な対応とは

【書評】となりのクレーマー「苦情を言う人」との交渉術

一方で、クレーマーなんて自己中なので放っておけばよい。もしくは、簡単に金銭で解決してさっさと退ければ良いと思ってしまいがちである。私が担当であってもそうしたいのは必至である。しかし、それは最悪の対応だそうだ。本書に掲載された数々のコラムの一つを引用しよう。

▼強気は損気(クレーマー物語 病医院編)
 あるドクターに、「患者さんからは、どんな苦情がありますか」と質問したことがあります。すると彼は、「苦情は30年間、まったくない」と言い、しかも、「苦情を言う患者は弁護士に任せて、50万円程度なら払って縁を切るよ」と豪快に笑い飛ばしたのです。
 この返事には軽い冗談があるにしても、私は少し疑問を感じました。
 「この医院は、この先、5年ともたないかもしれない」
 そう思ったのです。
 理由は、クレームを大事と考えない事業体に対して、かえって悪意を持ったクレームを示してトラブルを引き起こす「招かざる人」が、集中することがあり得るからです。
 なぜかというと、細かいクレームに対して真摯に対応している事業体には、隙がありません。「クレームはトラブルになる」という、危機意識を持っているからです。
 一方、「クレームごとき」と、軽い要望すら無視するような態度のところは、一見、クレームに強そうに見えるのですが、逆にクレームが大きくなり、トラブルに発展する場合が多いのです。
 このような事業体は、強気一本ゆえに、トラブルに対する場合のノウハウを持っていません。トラブルが大きくなると、あわててしまい、すぐにお金で解決しようとする傾向が見られるようになります。これは最悪の対応です。
 これは、「悪性トラブルスパイラル」と言うべきもので、非常にリスクの高い状態を招く結果となるでしょう。次々と慰謝料名目のお金が出ていく一方で、「客層」は悪化。評判は不可逆的に低下していきます。

どうだろう?利巧とも思える金銭的解決は「最悪の対応」であり、評判は「不可逆的に低下」するというのである。

ともすれば、誠心誠意対応する他ない。では、どう対応するのか?人間を相手するのである。とは言っても、私も含め、素人にいきなり人間と相手してこい。などと言っても「はてっ??」ってなものである。

そこで、第三章の目次を見て頂くとともに、本書を読了することをおススメする。

【基本的対応】

  1. 非があれば、真摯な態度で謝罪をする
  2. お客様の申し出は、感情を抑え素直に聞く
  3. 正確なメモを取る
  4. 説明は、慌てず冷静に考えてする
  5. 現場を確認する
  6. 対応は迅速にする
  7. 一般の苦情客を、クレーマーに仕立てない
  8. 苦情対応は平等に

 

クレーマーはあなたの「となりにいる」かもしれない

【書評】となりのクレーマー「苦情を言う人」との交渉術

本書は第一章で個別具体的なクレームの現場を肌感覚まで落とし込んで見ることが出来る。そして、第二章で昨今到来した苦情社会の現状をプロの眼からの解説を聞ける。そして、上記第三章の説明という流れである。

それ以外にも、クレーマーの現場として「医療現場や教育(学校)現場」の対応が大変であること。苦情処理のゴールの話、苦情対応に必要な知識など、興味深い内容が多い一冊である。

本書は苦情処理の専門家向けの本ではない。『クレーマーはあなたの「となりにいる」かもしれないのです。』と言っているとおり、誰でも遭遇するかもしれない。そういう意味で、対応のコツを少しでも理解して、いざというときのために頭の片隅に入れておくことをおススメする。

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