【書評】天才!成功する人々の法則[好機と文化が示すもの]

【読概】天才!成功する人々の法則
この記事は約7分で読めます。

どうもタスです。

今回は読書習慣を始めて10冊目の本となった「天才!成功する人々の法則」についてお伝えしたいと思います。本著は、マルコム・グラッドウェル氏が上梓したものですが、勝間和代さんが訳しています。

本著最後の勝間さんの解説にも書かれていますが、勝間さんはグラッドウェル氏のファンであり、本著の訳も相当気合の入った仕事の中の一つのようです。本著は、アウトライアー(Outlier:他とは著しくかけ離れた値)に焦点を当てるとともに、焦点の当て方も独特でとても読み応えがあります。

 

著者及び訳者のご紹介

マルコム・グラッドウェル

1963年生まれ、英国出身で、作家、ジャーナリスト、元「ワシントン・ポスト」ニューヨーク支局長をされていた方です。また米国誌「ニューヨーカー」のエースライターとして世界中にファンを持っています。

 

勝間和代

1968年生まれ、東京都出身の経済評論家。株式会社監査と分析取締役、中央大学大学院戦略経営研究科客員教授。

 

目次

プロローグ ロゼトの謎
第一部好機
第一章 マタイ効果
第二章 一万時間の法則
第三章 天才の問題点 その一
第四章 天才の問題点 その二
第五章 ジョー・フロムの三つの教訓
第二部 「文化」という名の遺産
第六章 ケンタッキー州ハーラン
第七章 航空機事故の“民族的法則”
第八章 「水田」と「数学テスト」の関係
第九章 マリータの取引
エピローグ ジャマイカの物語

 

どのように成功者へ焦点を当てているのか?

【読概】天才!成功する人々の法則

何はともあれ、本著は「生まれつき才能がある人たちだからこそ成功したという、私たちの思い込みに疑問を持った」のであり、「成功者の『努力と個人的資質がすべてを決める』という考え方が間違っていることを伝える」ための本」なのです。

私は成功者のサクセスストーリーは、本人の自助努力に尽きる物語だと信じていました。それは、その方が物語として感動できるし、なるべくしてなった人が成功者だと思えたからです。ヒーローみたいなものですね。

それを本著では「そうではない。内部要因を自身の努力や才能だとするならば、外部要因として好機や文化もとても影響する。それは内部要因と同じくらい、もしくはそれ以上に関係するんだよ」と示しています。この切り口がとても新鮮で、あれよあれよという間に物語がスラスラ入ってきます。

 

「好機」と「文化」から見えてくるもの

【読概】天才!成功する人々の法則

本著は2部構成になっており、第一部が「好機」、第二部が「文化」の視点から成功者へアプローチしています。好機は、成功者の努力は一万時間の法則からも分かるように膨大ですが、その努力ができたのも、努力の成果を発揮できたのも好機との巡り合わせです。そもそも生まれた環境(生まれ年や生まれた地域など)によっては巡り合うことができないこともあるため、努力すれば成功するってことではない面もあるなと思えました。

そんなこともあるだろうなと思っていても、いざ例を出されると残念ながらとても納得してしまうものです。そして、その裏をとる技術がスゴイ。その人の歴史を伝記並みに調査し、なぜ好機に出会ったのか、逆になぜ好機に出会えなかったのか、刻々とその優位点に迫り説明してくれます。

そして、好機よりもっと興味深いものとして「文化」的側面からの成功へのアプローチが第二部に書かれています。なぜ大韓航空はあれほど事故を多発したのか?そして、なぜそこから優良航空会社に復活したのか?アジアはなぜ欧米に比べて数学が得意なのか?それと水田は関係するの?アメリカのKIPPアカデミー(Knowledge Is Power Program)は貧困家庭の子供が通う学校なのに、なぜ優秀なのか?

これらは普通のアプローチで検討しても解は出てこず、歴史を紐解き文化的側面から見ないと理解できない問題として挙げています。

 

本著を読んで考えさせられたこと

【読概】天才!成功する人々の法則

本著を読んで以下の二点で大きく考えさせられました。

先ず一点目は、水田話しやKIPPもそうですが、少なくとも努力した人が成功に近づけるということ。もちろん好機に出会うかどうかは大切ですが、その好機に出会ったときに自分に力があるかどうかは死活問題になります。なぜなら、いくら好機に出会っても力がなければ好機を掴めないからです。

そういう意味で、ゆとり教育や働き方改革は片手落ちな改革だなと思うのと同時に、「やりたくない人にやらせない義務はあるけど、やりたい人にはやる権利がある」という私の考えは正解だったなと認識できました。欧州の休暇は長いけれど、みんながみんな取得しているわけではなく、長期休暇を取っている人もいれば、休暇を取らずにバリバリ働いている人もいる。

それを羨む日本人は同じように長期休暇を取ればいいけど、取らずに働きたい人は働けばいい。なんでも一括りに考える制度はこのご時世そろそろ限界です。そして、働きたいと思える裁量ある仕事をすることも大事だなと再認識しました。

二点目は、本著の初めから度肝を抜かれたのですが「持っている人はさらに与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる」というマタイ効果がエグイなと思ったことです。マタイ効果ってなに?という話は本著で理解していただくとして、題材であるアイスホッケーやサッカーなどのスポーツは完全に間違った選抜方法をしています。

それによって才能が埋もれ花開くものも咲かずままに異なる道へ進んでいる。これは選抜する方も競技する方も誰も得せず損しかない状況だということを早く気付くべき。なにより「好機」は誰しもが与えられるべしという方策を取ることで、今よりもっと素晴らしい社会になるのではないかと思えてきます。なぜなら、これはスポーツだけの話ではないからです。本著にも書かれていますが、学校教育でさえ同じような選抜方法になってしまっているからです。

 

まとめ

今回は「天才!成功する人々の法則」についてお伝えしました。最初から読まずに、勝間さんの解説から読んでも面白いなって思いました。この解説がとても気合が入っていて、冒頭から以下のように本著の要約を簡潔に表しています。

「生まれながらの天才などいない」ということが理解できるが、逆にそうであるからこそ、グラッドウェルがまとめた〝天才になる法則〟を活用していけば、私たち自身も天才になれるのではないかという期待と、そして未来が見えてくる本でもある。マルコム・グラッドウェルの真骨頂は、豊富かつ具体的な事例をこれでもか、これでもかと多数使いながら、物事の裏に隠れている法則や考え方を、わかりやすいフレームワークにまとめていく、その技法である。しかも、そのフレームワークがたいへん 汎用的で、なぜこれに気づかなかったのだろうと思うような「コロンブスの卵」的なものなのだ。

ここだけを見ても本著を読んでみたいなって思いますよね。ということで、本著を読んで今後の余生をどう生きるか見直してみるもの良いかもしれません。

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