【書評】空気を読むな本を読め[本を読んだら自分を読め]

【書評】空気を読むな本を読め[本を読んだら自分を読め]
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どうもタスです。

以前読んだ小飼弾さん著の本「新書がベスト 10冊で思考が、100冊で生き方が変わる(ベスト新書)」は、新書のための新書(メタ新書本)でしたが、今回は読書のための読書本(メタ読書本)、「空気を読むな、本を読め。小飼弾の頭が強くなる読書法(イースト・プレス)」について、読書習慣を始めて42冊目の本としてお伝えします。

本書は「小飼弾が選ぶ最強の100冊+1」のエントリーで紹介された本である。できれば、2020年の当エントリーを見てみたい!

 

著者のご紹介(本書引用)

小飼 弾(コガイ ダン)
投資家、プログラマ、ブロガー、書評家。主宰するブログ『404 Blog Not Found』は書評を中心に書いており、月間100万ページビューを誇る。過去には、株式会社オン・ザ・エッヂ(現ライブドア)上場時の取締役最高技術責任者(CTO)を務めた。著書に『弾言 成功する人生とバランスシートの使い方』『決弾 最適解を見付ける思考の技術』(アスペクト)、『小飼弾の「仕組み」進化論』(日本実業出版社)などがある。

 

目次

第1章 本を読め。人生は変わる
第2章 本を読め。答えは見つかる
第3章 「手」で読め。そして「脳」で読め
第4章 本を読んだら、「自分」を読め
第5章 本は安く買え。そして高く飛べ
第6章 エロ本も読め。創造力を養え
第7章 マンガを読めば「世界」がわかる

 

読書を通じて”自分で考える”術を自然と身に付けた

【書評】空気を読むな本を読め[本を読んだら自分を読め]

第2章で弾氏の面白いエピソードがある。

社会科の授業で、高校でいう地学に当たると思いますが、「海流」の話を教師がはじめたときのこと。そのときに教師が「海流はなぜあるか」と私に質問しました。私は「太陽があって、地球が自転しているから」と答えたんです。
ところが、これは中学の教科書に載っている解答ではなく、「風があるから」というのが模範解答。私の解答は間違いだと指摘され、あげくには廊下に立たされた。でも、私の解答は地学的見地に立てば大正解。風が生じるのも、太陽があって地球が自転と公転をしているからなのですから。

このエピソードは「小飼弾の論弾」でも話していて、とても興味深いことである。天才や秀才エピソードとしてよく聞くことだが、弾氏の場合は「桁違いの読書量」によってその知識を既に得ていたというわけだ。

学校ではなく図書館に通い詰め、朝から閉館まで読み漁り、さらには限度冊まで借りて家に持ち帰って読む。一人分の限度冊では足りなくて、家族の利用カードを使ってまで借りていたというのだから、その読書量は尋常ではない。上記に加えて、その時の弾氏の疑問がこのエピソードの印象を強くする。

社会科の授業で感じたように、「他人に裏付けしてもらった正解しか認めないオトナってどういうことだ?」と疑問に思っていた。なぜこの人たちは自分の頭で考えないんだろう、と。

百歩譲ってこの社会科の教師が”本当の正解”を知っていたと仮定したら、弾氏の優秀さを素直に認めてより正しい道へ案内していたことだろう。その後に弾氏が学校に通っても得ることがないと不登校になったことを鑑みても、やはり教師は”他人に裏付けしてもらった正解”しか知らなかったのだといえるのである。

”自分で考える”ということはこういうことなのだと考えさせられるエピソードであるとともに、中学生の経験談であることに驚きと興味を抱かせる。そして、このエピソードが起こるためには「読書」が必要不可欠だということだ。「読書」を通じて”自分で考える”癖が自然と身に付いたことも特筆すべきことである。

 

読書中に停止ボタンを押してはいけない

【書評】空気を読むな本を読め[本を読んだら自分を読め]

驚異的な読書量と読書スピードの秘訣は「新書がベスト 10冊で思考が、100冊で生き方が変わる(ベスト新書)」で語られていたが、本書にもヒントが点在していた。例えば、

考えながら本を読むと、時間がかかるもの。逆説的になりますが、読書の秘訣は「読みながら考えない」ことにあるかもしれません。

は面白い。一冊丸々モノにしようとすると、不明点があったりある説明から派生して物事を考えようとすると度々読書が止まってしまう。そうではなく、考えるのは2度目に読む時で良いと言っているのである。読むというより目を通すことが重要だと言っているのである。

せっかくの「楽習」が勉強になっちゃいますよ。

という言葉も、読書はあくまで楽しむことというスタンスを崩さない弾氏ならではの言い回しである。そもそもこの項の題目は『「停止ボタン」を押すな!はじめて読む本を、考えながら読んではいけない』である。自分の停止ボタンを押すことなく、読み切ることを続けていくことが読書力を鍛える上で重要なことなのだと理解した。

 

「本を読んだら自分を読め」

【書評】空気を読むな本を読め[本を読んだら自分を読め]

弾氏は読書観に以下の思想を持っている。

自分の意見と真っ向から対立する本を読むこと。
これは、読書体験を豊かにするうえで欠かせません。読書の前後で自分がどれだけ変わったか、「本を読んだら自分を読む」という確認作業です。

特に重要なのは後半の「本を読んだら自分を読め」である。これは読書の前後で自分がどう変わったか自分に問いかけろということである。自分自身にフィードバックを行うことでより読書が自分に与えた影響を感じることができるのである。そうすることで、本の内容を大方忘れようとも自分のレベルは高まっていくことが保証されるのである。

確かに、数百ページも読んで何も得られなかったということはまず有り得ない。何かしら自分の知らなかったことがあったり、考え方が変わったこと、著者に共感することや批判的になることなど”自分で考える”要素は無数に存在する。「本を読んだら自分を読む」ことを継続することで気が付いたら自分が自分ではなくなっていることを期待したい。

 

小飼弾が選ぶ 最強の100冊+1

以下に小飼氏が「これ読んどけ」と100点渡す書籍を列挙する。

【ノンフィクション】

『弾言 成功する人生とバランスシートの使い方』小飼弾/山路達也

『99.9%は仮説』竹内薫

『生物と無生物のあいだ』福岡伸一

『ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ』佐藤克文

『アフターマン』ドゥーガル・ディクソン

・『疑似科学入門』池内了(書評書き忘れた…)

・『クォーク –素粒子物理はどこまで進んできたか』南部陽一郎

『性転換する魚たち –サンゴ礁の海から』桑村哲生

『宇宙旅行はエレベーターで』フィリップ・レーガン/ブラッドリー・C・エドワーズ

『地球温暖化の予測は「正しい」か?』江守正多

『地球と一緒に頭も冷やせ!温暖化問題を問い直す』ビョルン・ロンボルグ

『天才!成功する人々の法則』マルコム・グラッドウェル

・『戦争における「人殺し」の心理学』デーヴ・グロスマン

『唯脳論』養老孟司

『貧困のない世界を創る』ムハマド・ユヌス

・『宇宙創成』サイモン・シン

・『銃・病原菌・鉄』ジャレド・ダイアモンド

『インターネット』村井純

『インターネットⅡ』村井純(私が追加)

『この世でいちばん大事な「カネ」の話』西原理恵子

・『ナニワ金融道』青木雄二

・『サルまん 21世紀愛蔵版』相原コージ/竹熊健太郎

・『ご冗談でしょう、ファインマンさん』R・P・ファインマン

『日本語が亡びるとき –英語の世紀の中で』水村美苗

『「おろかもの」の正義論』小林和之

『議論のルールブック』岩田宗之

『ウチのシステムはなぜ使えない』岡嶋裕史

『高校生のための文章読本』梅田卓夫/清水良則/服部左右一/松川由博

『高校生のための批評入門』梅田卓夫/清水良則/服部左右一/松川由博

『高校生のための小説案内』梅田卓夫/清水良則/服部左右一/松川由博

『数学入門(上)』遠山啓

『数学入門(下)』遠山啓(私が追加)

『経済物理学の発見』高安秀樹

『予想通りに不合理 –行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』ダン・アリエリー

・『Longman Dictionary of Contemprorary English』Longman

・『理科年表』国立天文台

『「社会を変える」を仕事にする –社会起業家という生き方』駒崎弘樹

『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』神永正博

『はじめての課長の教科書』酒井穣

『仕事するのにオフィスはいらない』佐々木俊尚

・『Godel, Escher, Bach』Douglas R. Hofstadter

・『単純な脳、複雑な「私」』池谷裕二

・『コードの世界 –スーパー・プログラマになる14の思考法』まつもとゆきひろ

『死刑』森達也

『そして殺人者は野に放たれる』日垣隆

『日本という方法 –おもかげ・うつろいの文化』松岡正剛

『ビジネスで失敗する人の10の法則』ドナルド・R・キーオ

『仏教は心の科学』アルボムッレ・スマナサーラ

・『物理と数学の不思議な関係 –遠くて近い二つの「科学」』マルコム・E・ラインズ

『ラクをしないと成果は出ない』日垣隆

・『ブラック・スワン –不確実性とリスクの本質』ナシーム・ニコラス・タレブ

『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』加藤陽子

『国語 算数 理科 しごと –子どもと話そう「働くことの意味と価値」』岩谷誠治

『脱「ひとり勝ち」文明論』清水浩

・『不完全性定理 –数学的体系のあゆみ』野崎昭弘

【フィクション】

・『聖書』

・『ドグラ・マグラ』夢野久作

・『家畜人ヤプー』沼正三

・『かってに改蔵』久米田康治

・『アフター0』岡崎二郎

・『未来の二つの顔』J.P.ホーガン

・『マイナス・ゼロ』広瀬正

・『ディアスポラ』グレッグ・イーガン

・『ブラッド・ミュージック』グレッグ・ベア

・『Accelerando』Charles Stross

・『漂流教室』楳図かずお

・『Palepoli』古屋兎丸

・『寄生獣』岩明均

・『銀河ヒッチハイク・ガイド』ダグラス・アダムズ

・『リングワールド』ラリイ・ニーヴン

・『導きの星』小川一水

・『ハーモニー』伊藤計劃

・『新世界より』貴志祐介

・『破裂』久坂部羊

・『太陽の簒奪者』野尻抱介

・『AΩ –超空想科学怪奇譚』小林泰三

・『終わりなき戦い』ジョー・ホールドマン

・『火の鳥』手塚治虫

・『クロスファイア』宮部みゆき

・『この世界の片隅に』こうの史代

・『地球へ・・・』竹宮恵子

・『えの素』榎本俊二

・『Contact』Carl Sagan

・『チーム・バチスタの栄光』海堂尊

・『神罰』田中圭一

・『ドラゴンボール』鳥山明

・『決壊』平野啓一郎

・『ガープの世界』ジョン・アーヴィング

・『銀河英雄伝説』田中芳樹

・『「ハイペリオン」四部作』ダン・シモンズ

・『アイの物語』山本弘

・『となりのお姉さん』玉置勉強

・『デビルマン』永井豪

・『イティハーサ』水樹和佳子

・『あなたの魂に安らぎあれ』神林長平

・『「敵は海賊」シリーズ』神林長平

・『グリーン・レクイエム/緑幻想』新井素子

・『果てしなき流れの果てに』小松左京

・『声の綱』星新一

・『七瀬三部作「家族八景」「七瀬ふたたび」「エディプスの恋人」』筒井康隆

・『たったひとつの冴えたやりかた』ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア

・『竜の卵』ロバート・L・フォワード

・『遥かなる地球の歌』アーサー・C・クラーク

・『「銀河帝国興亡史」シリーズ』アイザック・アシモフ

・『異星の客』ロバート・A・ハイライン

 

おわりに

「新書がベスト 10冊で思考が、100冊で生き方が変わる(ベスト新書)」や本書は読書の楽しみ方を多角的視点で教えてくれた。こういうことは、先人の知恵を借りるのがとても有効だ。スポーツでも一番の上達方法は真似である。それと同じだと私は思う。好きこそ物の上手なれと言うが、楽しいことをさらに楽しませてくれる本書は読書好き必見の書である。

弾氏の読書観から見たエロ本の件は第6章で展開されるが、独特の視点でとても面白い。特に「全米が抜いた」はあっても良い。古典だってあってよい歴史あるジャンルである。こういう様々なジャンルで展開できる読書観は見習いたいものである。

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