【書評】「社会を変える」を仕事にする –社会起業家という生き方

【書評】「社会を変える」を仕事にする --社会起業家という生き方
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どうもタスです。

ソーシャル・ビジネスという言葉を最近初めて知り、社会的な貢献をするビジネスの存在と価値、そして、未来の主要ビジネス形態にもなり得るであろうことを知った。

今回も社会的貢献を理念として、日本社会を変えるために奔走している社会起業家の本を読了した。初めに言っておこう。将来を不安に感じている学生諸君、今からでも遅くはないナルハヤで本書を手に取ることをおススメする。本書を読むことで、未知の扉が開くことは間違いない。

そこで今回は、読書習慣を始めて53冊目の本として「「社会を変える」を仕事にする –社会起業家という生き方(英治出版)」を読了したのでお伝えする。

 

著者のご紹介

駒崎 弘樹(こまざき ひろき)
NPO法人フローレンス代表理事。1979年、東京都江東区生まれ。慶応義塾大学総合政策学部在学中に、(有)ニューロンの経営に参画し、株式会社化後、同社代表取締役社長に就任。同大学卒業後、ベビーシッターをしている母親から、子どもの熱で仕事を休み解雇されたお客の話を聞き、保育業界最大の難問「病児保育問題」を知る。自身が近所のベテランママ「松永さん」に預けられていた経験から、「地域が支える子育て」が消失してしまった社会にショックを受ける。
その後、ITベンチャーを共同経営者に譲渡・退社し、「フローレンス・プロジェクト」を始動。2004年、NPO(特定非営利活動法人)認証を取得、代表理事に。2005年4月から江東区・中央区にて全国初の「保険的病児保育サポートシステム」である「フローレンスパック」をスタート。
現在は、働く家庭のサポート事業を拡大する傍ら、講演、メディア出演、行政との連携を行うなど、病児保育や働き方に対する社会全体の取り組みを活性化されることに努めている。2007年7月、Newsweek日本版「世界を変える社会起業家100人」に選出。

 

目次

プロローグ
第1章 学生でITベンチャー社長になっちゃった
第2章 「社会を変える仕事」との出会い
第3章 いざ、「社会企業家」!
第4章 大いなる挫折
第5章 世の中のどこにもないサービスを始める
第6章 「地域を変える」が「社会を変える」
エピローグ

 

著者の青春謳歌溢れる魅力あるストーリー

【書評】「社会を変える」を仕事にする --社会起業家という生き方

冒頭でも言ったとおり、本書は必ずナルハヤで読んだ方が良い本である。なぜなら、社会の扉(死後?私もあまり使ったことがない言葉だけれど)は思った以上に無数にあり、みんな同じレールに乗らなくて良いのだという好例を実体験をもとに教えてくれる名書だからだ。

しかも、そこに行きつくまでの試行錯誤たるやドラマ化できるくらいに波乱に満ちている。それは、著者の素直で誠実な性格から滲み出る喜怒哀楽も相まったストーリー展開も見逃せない。

社会勉強や道徳観、がむしゃらや一生懸命、社会の不合理と信念の強い人々のシナジー効果、本書には色々な要素が詰まっていて、こちらまで感情移入してしまう。そう、読みながら笑えるし、泣けるし、感動するし、勝手に応援している自分がいたのだ(特に「号泣!フローレンスのおかげで正社員になれた」は私も泣きそうになった…)。

そんな素晴らしい本書は、書名にもなっているとおり「社会を変える」こととはどういうことかを考えさせられる内容になっている。そして、社会を変える事業とは何か?社会を変える事業がなぜ必要なのか?どういう手段で行えるのか?どういう種類があるのか?について、著者の回答が詰まっている。

表紙の裏には以下の言葉が書かれている。

「日本社会の役に立ちたい」なんてこった。自分がこんなことを思っていたなんて。こんなことを僕が言い出したらみんなは何と言うだろう。「中学生日記」に出てくる学級委員みたいなやつが作文で書きそうな言葉だ。ああ、どうしよう。僕は実は「中学生日記」だったんだ。人間NHKだったんだ。

まさにそのとおりで、何がそのとおりかというと、著者の人生が「中学生日記」だからである。全編絶賛「青春」だからである。これを青春というにはおこがましい気もするが、今を生きる感が半端じゃない。常にチャリは立ち漕ぎだからである。良く敏腕経営者が「気が付いたらこうなっていた」的なニュアンスで自分を振り返ることがあるが、そういった人生を要約すると本書のようになるのだろう。

 

主人公を自分に置き換えてみる

【書評】「社会を変える」を仕事にする --社会起業家という生き方

なお、本書は社会貢献や起業することだけでなく、人生の教訓になる内容が詰まっている。例えば、

  • 駒崎さんや岡本さんのように、「違和感」を感じる感受性を大事にすること。
  • 新しいことを行おうとするときは、必ず叩く輩がいること。
  • 資本主義が成立するためには、それを機能させる社会が必要であること。
  • 挫けない気持ちと臨機応変または楽観的な気持ちを持つことの重要性。
  • 本質を捉えること(「溺れる赤ん坊のメタファー」の例)。
  • 誰かを頼ること。
  • 世の中には必要とされていることがあること。また、声にできない声があること。

細かいことを書こうと思えば枚挙に暇がないが、これらは自分の身の回りにも当てはめて考えることができる参考になる話ばかりだ。なおかつ、本書は具体例しかないので、脳内変換して「俺だったらこのパターンの出来事はあの時に当たるのかな」なんて考えられるし、その場合の駒崎さんの対処方法を参考に振り返ることもできる。

 

人生も複利効果があると気付かされた

【書評】「社会を変える」を仕事にする --社会起業家という生き方

とはいえ、駒崎さんは常に最良の選択ができている訳ではない。常に試行錯誤し、失敗し、挫折し、本書でいうところのダウナー状態になることも多々ある。しかし、随所に見られるのは「自分で考えて行動すること」「誠実であること」である。全てと言って良いくらいそれで切り開き突破していると言っても過言ではない。

そして、信念を貫く強い気持ちと粘り強さ。諦めの悪い男(スラダンのミッチーみたい)であることも重要な要素である。そういう要素がオーラとなって体外に放ち続けているのだろう、駒崎さんの周りにはいつも頼もしく優秀で根性のある人々が集まっている。

このような素晴らしい要素も自分に取り入れるような目線で読むと、読後感も違ってくると思う。少なからず、私は人生捨てたもんじゃないというありきたりなセリフを言ってみたくなった。駒崎さんに言わせれば、私はリスク取らずの安全路線で生きてきたような気がする。

リスクを取ること自体に意味を見出すことはないけれど、駒崎さんが旅館で自分自身を見つめたように、時々、自分の棚卸を行うべきだなと強く感じた。それは、社会を変える人になろう!と大きくシフトチェンジすることではなく、小さなことから変えることも重要だからである。

駒崎さんも小さなことから始めている。気付いたら雪だるまのように大きくなっていた。お金や知識も複利だと思っていたが、「人生が複利なのだ」と本書を読んで深く感じた。

社会的企業や社会起業家については本書を読んで頂くこととして、別の側面で感じる本書の素晴らしさを少しでも理解して頂ければ嬉しく思う。そして、駒崎さんを代表とする社会的企業を応援したいし、ソーシャル・ビジネス含めて将来は必ずメインになる事業形態であろうことは疑いようがない。

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