【書評】高校生のための文章読本[文章を書く全ての人必見]

【書評】高校生のための文章読本[文章を書く全ての人必見]
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どうもタスです。

なぜブログを書くのか?なぜ文章で表現するのか?むしろ、どういう風に表現するべきか?そこにある個性とは何か?誰に伝わるのか?文章の中にいるのは誰か?

本書名は「高校生のための…」となっているが、本書は年齢捉わず全ての人に読まれるべきである。そこでは先に示した疑問やモヤモヤが、体から蒸発する蒸気のように気持ちよく解けていき、読了後は体が軽くなっているかのような錯覚を覚える。

そこで今回は、読書習慣を始めて28冊目の本になった「高校生のための文章読本(筑摩書房)」についてお伝えする。

 

 

「高校生のための」シリーズ
「高校生のための批評入門」~批評は論評ではない。「世界に対して抱き持つ精神の働き」であることを知ろう。
「高校生のための小説案内」~虚構の世界を現実に投影することによりフィクションを楽しもう。

 

著者のご紹介

梅田 卓夫(うめだ たくお)
清水 良典(しみず よしのり)
服部 左右一(はっとり さういち)
松川 由博(まつかわ よしひろ)

 

目次

1.混沌からことばへ
2.感性の輝き
3.ことばで遊ぶ
4.もう一人の自分
5.見ること・見えること
6.幻想への旅
7.疑いから思索へ
8.機知とユーモア
9.女と男
10.さまざまな青春
11.日々をみつめて
12.生きるかなしみ
13.体験の重み
14.生きるよろこび

 

文章と向き合う様々な学びがある

【書評】高校生のための文章読本[文章を書く全ての人必見]

冒頭で話したとおり、本書は文章を書く全ての人に読了してほしい一冊だ。著者の本書に対する願いは「自分の心を自分の言葉で語る」ことである。そのために、本書には70編の文例が採択され掲載されている。それらは、個性的で優れた日本語の散文のアンソロジーとして読書案内に十分活用してもらえる。

また、本書の目次は70編の文例をカテゴライズした内容になっており、各章末には手帖として本書の本文に相当するまとめが書かれている。兎に角これが秀逸で、量は文例に比べれば少ないが参考価値は極めて高く、本書の購入価値は手帖を読むだけで得られると言っても過言でないくらい多くの学びと共感が得られた。

もちろん、文例も面白いものばかりで、著者も「原則として現行の教科書に採られていない、新鮮な作品(箇所)であること」というように、見聞したことのない文章が次々と出てきた。中にはこれも文章か?と思うような超個性的な文章もある(難しくて意味を得られないものも…)。巻末の付録には「作文の手順」、「さまざまな技法」(修辞技法)もあり、特に「作文の手順」は懇切丁寧に説明してくれるため、改めて文章の作成手順を理解させてもらった。

 

良い文章を書くとはどういうことか?

【書評】高校生のための文章読本[文章を書く全ての人必見]

各章末の手帖は、それを読むだけで価値が充分にあると言ったが、実際の中身を掻い摘んでお伝えしたい。

表現とは、一度人間の心の中を通ってきた”世界”に”かたち”を与えることである。その”かたち”が堅苦しい言葉では形式と呼ばれるものなのだ。自己に忠実であろうとする時、既成の形式は多かれ少なかれ打ち破られていく。これが創造ということだ。 -P16

これは、表現するということをパブロ・ピカソの「泣く女」やエドワルド・ムンクの「叫び」を例に説明している。加えて以下の補足付き。

自己の内面のイメージを忠実に表現しようと手さぐりするうちに、やむにやまれず、このような表現形式へ到達してしまったのである。

文章で表現することも同様で、自分の心の中を正確に言葉に変換して文として表す。その変換作業がとても困難で形式に捉われることもしばしある。そのためには様々な言葉や文章を自分に蓄えることはとても重要で、むしろ、好きな作家の文に似せることも構わない。いくら似せようが、結局、自分のスタイルに合わなくて形式を選り好み、自分のオリジナル文章が完成する。それが個性に発展し、創造や独創を生む。

本は話者がそれぞれいて内容も様々であるが、表現の仕方も千差万別である。自分にとってシックリくる表現というものはなかなか見つからず、私もブログ記事を書く度に迷路に迷っているような気がする。

「自分の好きなように書く」ことは常々意識しているが、それだけでは全く心許ない。結局、絶対的にインプットが足りていないと感じるためだ。読む側として、他のブログ記事を読んだ際に内容が薄かったり軽かったり感じることは相手にとって同様のことが言えるだろう。その逆に感じるときは、大抵が文章にのめり込んでいることが多い。

本書でいう創造的な文章とは以下のことをいう。

創造的な文章は、既成の文章の観念や形式にとらわれない自由な発想からのみ生まれる。良い文章とは、
①自分にしか書けないことを
②だれが読んでもわかるように書く
という二つの条件を満たしたもののことだ。

このためには、自分の心の中を正確に文章へ起こす変換作業が最も大事になる。形あるものにすることで再び自分と向き合える。向き合うことで未知の自分を再発見し、再変換作業が必要になることもある。その繰り返しが二つの条件を満たすのだと思った。

 

おわりに

手段を問わず、自分を表現することは難しい。しかし、それに真摯に向き合い繰り返し行うことで、自分と向き合っていることに気付いた。

本書は、文章と自分の関係を抽象的に示してくれたと思う。それは、なぜブログを書くのか?なぜ文章で表現するのか?むしろ、どういう風に表現するべきか?そこにある個性とは何か?誰に伝わるのか?文章の中にいるのは誰か?などの一問一答を本書の中で行えるからである。

 

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