【書評】考える知識を豊かにする。1日1ページ読むだけで身につく世界の教養365 その2

【書評】考える知識を豊かにする。1日1ページ読むだけで身につく世界の教養365
この記事は約29分で読めます。

どうもタスです。
前回に続き、今回も読書習慣を始めて18冊目の本になった「1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365(文響社)」についてお伝えしたいと思います。
本書は、教養を浅く広く学ぶためには最適で、私も現時点で240まで読み終えましたがとても勉強になることばかりです。
是非、手に取って知識を得ることをおススメします。

1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365 [ デイヴィッド・S・キダー ]
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■1年分(本書の全て)を見るには、以下の記事もご覧になってください。
『【書評】考える知識を豊かにする。1日1ページ読むだけで身につく世界の教養365 その1』では、本書の1~120日目までを纏めています。
『【書評】考える知識を豊かにする。1日1ページ読むだけで身につく世界の教養365 その3』では、本書の241~364日目までを纏めています。

 

著者のご紹介

デイビット・S・キダー
ノア・D・オッペンハイム
「1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365」シリーズで有名なお二人です。

 

本書のご紹介

【書評】考える知識を豊かにする。1日1ページ読むだけで身につく世界の教養365

本書はニューヨークタイムズベストセラーで、アメリカで47万部刊行した本を邦訳しています。

本書名のとおり、1日1ページ(約15分)を1年間読むことで世界の教養を身に付けることが目的とのこと。取りあげている教養は7つの異なる専門分野(歴史、文学、視覚芸術、科学、音楽、哲学、宗教)で、それを1週間(7日間)単位で回しながら学習するスタイルになっています。週にすると52週のため、7つの専門分野の知識を52回ずつ吸収できるとても興奮する内容にまとまっています。

 

目次

本書は当記事をあわせて計3回に分けてお伝えしようと思います。というのも、1日1ページで365日分のため、内容が膨大で且つ一つ一つが興味深いものばかりになっており、とても1記事ではお伝えしきれないと考えているためです。単純計算しても、1記事120日分をご紹介することになります。ということで、今回は121~240日目までをお伝えします。
今回は、ようやく157に日本人、葛飾北斎が登場しました。西欧、中東、北米辺りでほぼ占めてきたところに日本の偉人が登場しました。

 

第18週
121.サルマン・ラシュディ(文学)
122.ラファエロ(視覚芸術)
123.アルバート・アインシュタイン(科学)
124.フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(音楽)
125.バールーフ・スピノザ(哲学)
126.使途(宗教)
第19週
127.イギリスの北アメリカ植民地(歴史)
128.『高慢と偏見』(文学)
129.バロック美術(視覚芸術)
130.チャールズ・ダーウィンと自然選択(科学)
131.ハイドンの『ロンドン交響曲』(音楽)
132.アプリオリな知識(哲学)
133.マグダラのマリア(宗教)
第20週
134.ウェストファリア条約(歴史)
135.『カンディード』(文学)
136.レンブラント(視覚芸術)
137.重力(科学)
138.ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(音楽)
139.ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(哲学)
140.最後の晩餐(宗教)
第21週
141.フランス王ルイ14世(歴史)
142.ポストモダニズム(文学)
143.『真珠の耳飾りの少女』(視覚芸術)
144.ワクチン(科学)
145.モーツァルトの『レクイエム』(音楽)
146.時間(哲学)
147.イエスの磔刑(宗教)
第22週
148.ピョートル大帝(歴史)
149.『すばらしい新世界』(文学)
150.タージ・マハル(視覚芸術)
151.マリー・キュリー(科学)
152.モーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』(音楽)
153.認識論(哲学)
154.イエスの復活(宗教)
第23週
155.ベンジャミン・フランクリン(歴史)
156.ポストコロニアリズム(文学)
157.葛飾北斎(視覚芸術)
158.催眠状態(科学)
159.ソナタ形式(音楽)
160.ジョン・ロック(哲学)
161.福音書(宗教)
第24週
162.ジョージ・ワシントン(歴史)
163.アントン・チェーホフ(文学)
164.ロマン主義(視覚芸術)
165.認知的不協和(科学)
166.モーツァルトの『ピアノ協奏曲第21番』と『交響曲第41番』(音楽)
167.人格の同一性(哲学)
168.カトリック教会(宗教)
第25週
169.トマス・ペイン(歴史)
170.ヴァージニア・ウルフ(文学)
171.フランシスコ・デ・ゴヤ(視覚芸術)
172.生殖(科学)
173.ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(音楽)
174.自由主義(哲学)
175.東方正教会(宗教)
第26週
176.フランス革命(歴史)
177.『白鯨』(文学)
178.ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー(視覚芸術)
179.幹細胞(科学)
180.ベートーヴェンの『交響曲第九番「合唱付き」』(音楽)
181.社会契約(哲学)
182.宗教改革(宗教)
第27週
183.トマス・ジェファソン(歴史)
184.『選ばれなかった道』(文学)
185.印象派(視覚芸術)
186.電磁スペクトル(科学)
187.ロマン派の時代(音楽)
188.ジョージ・バークリー(哲学)
189.コンスタンティヌス一世(宗教)
第28週
190.ナポレオン・ボナパルト(歴史)
191.『緋文字』(文学)
192.『ホイッスラーの母』(視覚芸術)
193.概日リズム(科学)
194.フランツ・シューベルト(音楽)
195.観念論(哲学)
196.ジョセフ・スミスとモルモン教(宗教)
第29週
197.アイルランドのジャガイモ飢饉(歴史)
198.ウォルト・ホイットマン(文学)
199.エドガー・ドガ(視覚芸術)
200.睡眠(科学)
201.フェーリクス・メンデルスゾーン(音楽)
202.デイヴィッド・ヒューム(哲学)
203.ムハンマド(宗教)
第30週
204.植民地主義(歴史)
205.チャールズ・ディケンズ(文学)
206.ポール・セザンヌ(視覚芸術)
207.血液(科学)
208.エクトル・ベルリオーズ(音楽)
209.帰納法(哲学)
210.クルアーン(宗教)
第31週
211.アンドルー・ジャクソン(歴史)
212.ヘンリー・ジェイムズ(文学)
213.オーギュスト・ロダン(視覚芸術)
214.電池(科学)
215.ロベルト・シューマンとクララ・シューマン(音楽)
216.因果関係(哲学)
217.イスラム教の五行(宗教)
第32週
218.マシュー・ペリー提督と日本(歴史)
219.『荒地』(文学)
220.『考える人』(視覚芸術)
221.摩擦力(科学)
222.フレデリック・ショパン(音楽)
223.悪の問題(哲学)
224.シャリーア(宗教)
第33週
225.ジョン・ブラウン(歴史)
226.マルセル・ブルースト(文学)
227.クロード・モネ(視覚芸術)
228.太陽と核融合(科学)
229.ニッコロ・パガニーニとフランツ・リスト(音楽)
230.意志の自由(哲学)
231.シーア派とスンナ派(宗教)
第34週
232.エイブラハム・リンカーン(歴史)
233.『見えない人間』(文学)
234.オーギュスト・ルノワール(視覚芸術)
235.虹(科学)
236.ヨハネス・ブラームス(音楽)
237.イマヌエル・カント(哲学)
238.スーフィズム(宗教)
第35週
239.アポマトックス・コードハウス(歴史)
240.『吠える』(文学)

 

特に興味深かった内容を概要や感想としてまとめた

今回も基本的に全て面白かったのですが(やはり音楽だけは苦手感が否めない。。)、ここでは私が特に面白かったと思えた内容を専門分野ごとにお伝えします。お伝えするのはあくまで概要(だいぶ端折っています)ので、詳細は本書を見てくださいね。

 

歴史

【書評】考える知識を豊かにする。1日1ページ読むだけで身につく世界の教養365

フランス王ルイ14世(141)

ルイ14世(1638~1715)は、1643年にわずか四歳で王位を継ぐと、その後72年の長きにわたってフランスを統治した。「太陽王」と通称されたこの王は、その長い治世で、対外的にはヨーロッパでフランスの勢力を拡大し、国内では自らの権力を強化した。壮麗なヴェルサイユ宮殿を拠点に、ルイ14世は中央集権的な絶対王政を確立して、フランス史上空前の権力を振るった。

 

ベンジャミン・フランクリン(155)

ベンジャミン・フランクリン(1706~1790)は、18世紀に最も有名かつ最も影響力のあったアメリカ人で、発明家・外交官・ジャーナリスト・政治家として活躍した。また、アメリカ独立宣言とアメリカ合衆国憲法の両方に署名した人物でもある。電気の発見に貢献し、新聞を発行して大成功を収め、フランクリン・ストーブを発明した。当時の彼の名声は、同時期に活躍したアメリカ人政治家ジョン・アダムズいわく、「ニュートンやフリードリヒ大王やヴォルテールよりも大きく、その人徳は、この三人の誰よりも敬愛されていた」。歴史学者の中には、彼こそ「最初のアメリカ人」だと呼ぶ者もいる。

 

フランス革命(176)

1789年に倒される以前、フランスの君主制は腐敗と富の独占が進んでおり、中・下層階級の怒りを買っていた。フランスの農民が飢えに苦しむのをよそに、貴族たちはぜいたくな暮らしを送っていた。王妃マリー・アントワネットは、民衆が食べるパンにも事欠いていると聞かされると、「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」と言ったと伝えられている。また当時、政治犯は捕らえられると、パリ中心部にあって恐怖の的だったバスティーユ監獄に送られた。革命は1789年7月14日、政治犯解放を目指すバスティーユ襲撃で始まった。革命派は、フランス社会を根底から変えたいと考えており、そのため積極的に激しい暴力に訴えた。啓蒙思想の理想──自由・平等・友愛──に燃えて、革命派は世襲の君主制を倒すとともに、教会の権力も打破しようとした。

 

ナポレオン・ボナパルト(190)

1789年の革命以降、フランスでは戦争と社会不安の10年を経て、1799年にナポレオン・ボナパルト(1769~1821)が権力を握った。わずか30歳だったナポレオンは、収拾がつかず混乱状態にあったフランスをしっかりと掌握し、やがて1804年には自ら皇帝に即位した。フランス人は、共和国の偉大な理想──自由、平等、友愛──は普遍的なものであり、必要なら力で強制してもかまわないと思っていた。実際、ヨーロッパ各国では多くの庶民がナポレオンの軍隊を、自国の王や王妃による圧政からの解放者として歓迎した。作曲家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンは、早くからナポレオンを尊敬しており、ナポレオンが軍隊を率いてドイツにやってきたら自身の交響曲第三番を捧げようと考えていた。

 

植民地主義(204)

スペインによる南北アメリカ大陸の植民地化は、1492年のクリストファー・コロンブスの航海から始まった。その約100年後、イギリスの商人と宗教難民が新大陸にやってきた。しかし、ヨーロッパによる植民地化の時代は17世紀では終わらず、アメリカだけにとどまるものでもなかった。イギリスの商人や植民地開拓者たちは、大航海時代に地球上を駆け巡り、インドや中国、太平洋の島々に新たな入植地を建設した。

 

ジョン・ブラウン(225)

ジョン・ブラウン(1800~1859)は、奴隷制廃止を訴えた活動家で、1859年奴隷の反乱を起こそうとした罪でヴァージニア州当局により処刑された。軍事的な側面から言えばブラウンは失敗したが、社会運動という点から見ると、彼の蜂起は奴隷制を終わらせようという本気度を表していた。1860年の大統領選挙でエイブラハム・リンカーンが北部の奴隷制廃止論者の支持を得て当選すると、南部諸州は連邦を離脱し、これを契機に南北戦争が始まって、やがて奴隷制は廃止された。

 

エイブラハム・リンカーン(232)

アメリカ史上最も偉大な大統領とたたえられるエイブラハム・リンカーン(1809~1865)は、南北戦争(1861~1865年)で国を率いて連邦を守り、奴隷制度を終わらせた。ケンタッキー州に生まれたリンカーンは、イリノイ州に移り、1860年に大統領に選ばれた。しかし1865年、狂信的な南部支持者に劇場で暗殺されるという最期を遂げた。数日前に、ロバート・E・リー将軍率いる南軍がアポマトックス・コートハウスで降伏したばかりだった。リンカーンの指導の下、北軍は内戦に勝利したが、そのリンカーンは生きて平和を見届けることはできなかった。

 

文学

【書評】考える知識を豊かにする。1日1ページ読むだけで身につく世界の教養365

サルマン・ラシュディ(121)

サルマン・ラシュディ(1947~)は、『悪魔の詩』(1988年)で有名なポストモダニズムとポストコロニアリズムを体現する生きた存在である。その非常に巧妙で奇抜な小説は、リアリズムとファンタジーの両方に満ちており、多くの人から、現代インドを描いた文学作品と見なされている。日本でも有名な事件として「悪魔の詩訳者殺人事件」があった。

 

すばらしい新世界(149)

オルダス・ハクスリーによって1932年に出版された『すばらしい新世界』は、驚くほど未来を予見している。小説の舞台は未来のイギリスで、そこでは人間の胎児の「製造」が、政府の運営する孵化センターで厳しく管理されている。発育中の胎児は、ひとつひとつが優遇されるか、化学物質による容赦ない処理が行われるかして、将来、社会での地位と役割を決める厳格なカースト制度の中で適切な場所を占められるよう育てられる──あるいは、意図的に成長を阻害される。社会階級の最上位はアルファと呼ばれ、指導者や知識人となるべく訓練される。最下位はエプシロンで、もっぱら肉体労働に従事する。子どもたちは出生したあと、学校教育や睡眠時教育など心理学に基づく教化法によって、厳しく条件づけされる。その過程では、彼らは常に階級ごとに分離されている。

 

白鯨(177)

ハーマン・メルヴィルの『白鯨』(1851年)は、誰もが認めるアメリカ文学の名作だ。白鯨は、聖書や人間の運命、大洋での孤独など、数限りない話題についての哲学的考察を含んでいる。この白い鯨そのものも、文学で最大の謎めいた象徴のひとつであり、それが何を象徴しているのかについては、多種多様な説がある。エイハブは、この白鯨を世界のあらゆる悪を体現した存在と見なし、この悪に立ち向かって打ち破ることを自身の実存に関わる義務だと思い込んでいる。

 

『選ばれなかった道』(184)

アメリカの詩の中で、ロバート・フロストの『選ばれなかった道』(1916年)ほど何度も引用されながら、これほど広く誤解されている詩は存在しないだろう。誰もがこの詩を、自由意思を重んじる語り手の態度を高らかに歌い上げ、型にはまらず「踏みならされていない方の」道を進めと鼓舞する内容だと思っている。しかし、じっくりと読んでみると、この詩にはフロストの代名詞でもある、アイロニーを含んだ諦観に満ちていることが分かる。

 

チャールズ・ディケンズ(205)

作品数の多さと名声の高さで、ほとんどの作家はチャールズ・ディケンズ(1812~1870)の足元にも及ばない。その膨大な作品群は、15作以上の主要な長編小説と、数えきれぬほどの報道記事と論説から成っている。有名な作品に『オリヴァーツイスト』(1837~1839年)、『クリスマス・キャロル』(1843年)、『デイヴィット・コパーフィールド』(1849~1850年)等がある。

 

『見えない人間』(233)

文学の世界では、鋭い社会批判と画期的な文学技法を両立させた小説は、めったに存在しない。それを見事に成し遂げたのが、ラルフ・エリスンの『見えない人間』(1952年)である。本作は、20世紀に生きるアフリカ系アメリカ人の人生を、読者を動揺させるほど詳細に描くと同時に、英語という言語をジャズのリズムと融合させた斬新な手法を取り入れている。これによって、白人読者にも黒人読者にも衝撃を与えるという偉業をやってのけた。白人は、語り手の怒りにうろたえ、黒人は、エリスンが白人だけでなく黒人も容赦なく非難していることに驚愕した。当然ながら、『見えない人間』は議論を巻き起こしながらもベストセラーとなり、全米図書賞を受賞した。

 

視覚芸術

【書評】考える知識を豊かにする。1日1ページ読むだけで身につく世界の教養365

葛飾北斎(157)

葛飾北斎(1760~1849)は、西洋で最も知られている日本人芸術家だろう。北斎で一番有名なのは、何と言っても浮世絵だろう。江戸時代に始まる浮世絵は、文字どおり浮世の姿を描いた風俗画で、色ごとに版木を換えて刷る多色刷りの木版画である。北斎の浮世絵で最も有名なのが、『富嶽三十六景』のひとつ『神奈川沖浪裏』だ。自然の力と戦う漁師たちを──日本の伝統的な画題ではないが──描いた本作は、おそらく日本に入ってきたオランダの銅版画から影響を受けているものと思われる。 北斎の作品は、はじめてヨーロッパに紹介されると、ポール・ゴーギャンやフィンセント・ファン・ゴッホなどの画家たちに強烈なインパクトを与えた。

 

科学

【書評】考える知識を豊かにする。1日1ページ読むだけで身につく世界の教養365

アルバート・アインシュタイン(123)

アルバート・アインシュタイン(1879~1955)が数学と物理学に最大の貢献をしたのは、じつはまだ26歳のときだった。1905年、スイスのベルンで特許局の役人として働いていたとき、アインシュタインは四本の論文を書いた。その論文は、今では四本とも天才のなせる業と見なされている。1905年は「アンヌス・ミラビリス」つまりアインシュタインの「奇跡の年」と呼ばれている。第一の論文は「光の発生と変脱とに関するひとつの発見法的観点」、第二の論文は原子の存在を実験的に証明する方法を初めて提示したもの、第三と第四の論文は特殊相対性理論を扱ったものだ。

 

チャールズ・ダーウィンと自然選択(130)

1842年、チャールズ・ダーウィン(1809~1882)は『種の起源』の執筆を始めた。生物集団は時間とともに進化するという説を唱えたのは彼が最初ではなかったが、なぜ進化するのかという理論を唱えたのは、彼がはじめてだった。自然選択のプロセスは、地球上に住むすべての生物の特徴を説明するのにも使えるはずだ。海藻からシロナガスクジラに至るまで、すべての生物集団は「適者生存」によって進化したのだと、ダーウィンは結論づけた。

 

重力(137)

重力(万有引力)についての理論によると、この宇宙において質量のある物体は、すべて互いに引きあっており、その引く力(重力)は距離によって変化するという。質量が大きくなると、重力は強くなる。距離が大きくなると、重力は弱くなるのだ。しかし、宇宙にある物体は、どうしてすべて互いに引きあっているのだろう? その答えは誰にも分からない。

 

ワクチン(144)

ワクチンは、体に病気と戦う準備をさせるものだ。ワクチンはふつう、毒素を弱めた病原体か死んだ病原体、つまり病気の力を弱くした病原体でできている。体内の免疫系が毒素を弱めた病原体に出合うと、それ専用の抗体を作って、すぐさま退治する。その後、体に本物の病原体が入ってくると、免疫系は以前に作った抗体を「思い出し」、病気を簡単に撃退する。なお、ワクチンはラテン語で「牛」を意味する「ワッカ」から来ており、その由来が本書に書かれている。

 

マリー・キュリー(151)

科学の世界で活躍した女性の話になると、必ずと言っていいほど最初に名前が挙がるのがマリー・キュリー(1867~1934)だ。それも当然だろう。彼女は女性として最初にノーベル賞を受賞しただけでなく、史上はじめてノーベル賞を二度受賞した人物でもあった。

 

認知的不協和音(165)

1957年、スタンフォード大学の社会心理学者レオン・フェスティンガーは、論文『認知的不協和の理論』(“ATheoryofCognitiveDissonance” 末永俊郎監訳 誠信書房 1965年)を出版した。この本は、これまでに人間の行動について書かれた論文の中でも、とりわけ大きな影響を与えた。例えば、オペラが好きだということと、1980年に誰が大統領に選ばれたかということには、何の関係もない。しかし、複数の考えや行動に相互関係がある場合、私たちは、これを矛盾なく両立させなくてはならないと切実に感じる。矛盾によって引き起こされる不協和状態に、脳が耐えられないからだ。脳を平衡状態に戻すためには、矛盾した認知や行動を変えなくてはならない。ふつうは行動よりも思考を変える方が簡単なので、私たちは考え方を変えることになる。

 

幹細胞(179)

幹細胞は、この世で最も厄介な病気のうち、パーキンソン病、アルツハイマー病、糖尿病、がんの謎を解くカギとなるかもしれない。この四つの病気はいずれも、損傷して修復や交換が必要になった組織が関係している。幹細胞は、他の特定の機能を持った細胞に分化するという特殊な能力を持っている。また長期にわたって分裂して自己複製を繰り返すこともできる。例えば、幹細胞をパーキンソン病に侵された部位に導入できれば、病気で損傷した神経細胞を交換できるかもしれない。

 

概日リズム(193)

すべての生き物は、生まれながらに体内時計を持っていて、この体内時計によって覚醒と睡眠、代謝、心拍数、血圧、体温がコントロールされている。私たちの日常的な生物機能のパターンは、24時間を一サイクルとする概日リズムに合わせられている。

 

睡眠(200)

人間は進化の結果、人生の約三分の一を無意識のまま横になって過ごすようになった。睡眠は、食料・水・住居と並んで私たちの生存には必要不可欠なものだ。一晩眠らずに過ごすと、私たちは疲れて怒りっぽくなる。それが二晩続くと、記憶が途切れがちになり、集中力が落ちる。三晩も続くと、意識が混濁し始める。健康な人は食事を一か月以上取らなくても生きていけるが、睡眠を取らなければ二週間もしないうちに死んでしまう。確かなことは分からないが、睡眠が筋肉と臓器を修復し、脳内の情報を整理し、記憶を作り出しているのは間違いないようだ。

 

血液(207)

平均的な成人で、約五リットルの血液が血管を流れている。ところで、血液とはいったい何だろうか? 血液は、人体が生きていく上で欠かせない重要な四つの成分からできている。赤血球、白血球、血小板、血漿の四つだ。

 

電池(214)

電池とは、簡単に言えば、電気活性物質を詰めたものだ。電気活性物質とは、化学物質のうち、相互に反応して、原子の中にある負の電荷を帯びた小さな粒子、電子を生じる物質のことである。ある物質から別の物質へ電子が流れることで、電流が生まれ、それが電灯をつけ、テレビや車、カメラ、人工衛星、携帯電話、コンピューターを動かしている。

 

太陽と核融合(228)

太陽は、薪がたき火で燃えているような感じで燃えているのではない。じつは太陽は、巨大な原子炉のようなものだ。太陽からのエネルギーは、核融合──ふたつの小さな原子核が合わさってひとつの大きな原子核になる反応──で生み出されている。基本的に太陽は、水素原子を融合させてヘリウム原子にすることでエネルギーを作り出す。ふたつの水素原子が融合してヘリウムになるとき、二個の水素原子の合計質量のごく一部が、大量のエネルギーに変換される。この変換は、アインシュタインの有名な方程式E=mc²に従って進む。つまり、放出されるエネルギーは、失われた質量に光速の二乗をかけた値に等しいのだ。

 

音楽

【書評】考える知識を豊かにする。1日1ページ読むだけで身につく世界の教養365

該当なし。。。

 

哲学

【書評】考える知識を豊かにする。1日1ページ読むだけで身につく世界の教養365

バールーフ・スピノザ(125)

バールーフ・スピノザ(1632~1677)は、1670年、彼は『神学・政治論』を刊行し、その中で、聖書は他の聖典と同じように、神ではなく人間が作った文書として解釈すべきだと訴えた。そして、宗教にとって真に重要なのは、神の本質に関することではなく、人々が道徳的に正しいことを実践できるよう物語や教訓を通じて導くことだと主張した。つまり、宗教とは道徳的・政治的な統制システムであり、どの宗教も、この目的を有効に果たしている限り、すべて正しいとスピノザは論じたのである。

 

ゴットフリート・ヴェルヘルム・ライプニッツ(139)

ドットフリート・ベルヘルム・ライプニッツ(1646~1716)は、は、14歳から大学で学び始め、博士課程を22歳という驚くほどの若さで修了した。しかしライプニッツは学究の道には進まず、何人もの貴族に仕えて、図書館長、外交官、鉱山技師、廷臣などとして活躍した。職種がこれほど幅広いのは、ライプニッツの知的関心の広さを反映したものだ。哲学・神学・数学で後世に伝わる大きな業績を残しただけでなく、ライプニッツは、化学、物理学、論理学、医学、植物学、光学、歴史学、言語学、法学、文献学、外交の各分野で重要な貢献をしている。アリストテレス以降の主要な哲学者の中で、これほど多岐にわたる学問分野で活躍した者はいない。哲学に話を絞ると、ライプニッツは合理論者だった。また、『弁神論』(1710年)や『モナド論』(『単子論』)などを著した。

 

時間(146)

アリストテレス以降、哲学者たちは時間の本質を理解しようとしてきた。アイザック・ニュートン(1642~1727)が絶対時間の概念を提唱して以来、多くの哲学者は、時間とは多くの部分に分かれたものだと考えた。つまり、時間はひとつながりでなく、個別に区切られたいくつもの「時間」があるというのだ。こう考える哲学者にとって、ある出来事が特定の時間に起きたというのは、その出来事が時間のその部分、つまり、ある単位を占めているということになる。それ以外にも、ゴットフリート・ヴェルヘルム・ライプニッツやイマヌエル・カントが主張する時間の概念の説明も書かれている。

 

自由主義(174)

自由主義とは、政治哲学において個人主義・平等・自由を重んじる古くからの立場のことだ。自由主義は、どのような種類の統治制度や政治制度が正当と認められるかを考える規範理論──現状がどうなっているかではなく、現状はどうあるべきかを説く理論──である。自由祝儀の立場では、政治制度は、個人の利益を保証する限りにおいてのみ正統とみなされる。また、すべての市民は政府から平等に扱われなくてはならないということである。

 

社会契約(181)

社会契約とは、政治制度の起源と正当性を理解するため政治哲学で用いられる概念だ。社会契約の背後にある考えは、こうだ。まず前提として、過去のある時期、人類には政府も法律もなかったと仮定する。この最初の人々は、自分たちの身体の安全を確保し、経済的繁栄の条件を生み出すため、ある合意を結んだ。法による安定・安全と引き換えに、すべての人が、もともと自分が持っていた自由の一部を政府に譲渡したのである。これが社会契約説の考え方だ。社会契約説を展開した哲学者は、トマス・ホッブズ(1588~1679)やジョン・ロック(1632~1704)がいる。

 

観念論(195)

哲学でいう観念論者とは、実在は精神に依存していると考える人のことだ。観念論者が「○○は精神に依存している」と主張するとき、それは「もし、ある事物について考える精神が存在しなければ、その事物は存在しない」ということである。これは極端な立場だ。

 

帰納法(209)

ある事柄について、「過去に○○だった」という事実から、「それは常に○○である」または「今後も常に○○であるだろう」という結論を導き出す推論のことを、帰納法という。

 

因果関係(216)

「Xが原因でYが起こるとは、Xのような事象が起こると、通常それに続いてYのような事象が起こるということである」というものだ。こうした考え方を、因果規則性説という。ほかにも「Xが原因でYが起こるとは、Xが起こらなければYが起こらないということである」という説がある。これを因果反事実説という。しかし、それぞれに欠陥があり、因果関係とは何かを説明するのは、非常に難しい。

 

悪の問題(223)

次の四つの主張について考えてほしい。—神は全能である(神の力でできないことはない)。神は全知である。神は完全な善である。この世に悪が存在する。— 昔から有神論者──神の存在を信じる人──は、この四つの主張を受け入れてきたが、多くの哲学者は、この四つは矛盾していると主張している。もし神が全能なら、神は悪のない世界を作ることができたはずだ。また、悪のない世界の方が悪のある世界よりも善なのに、完全な善である神が悪の存在する世界を意図的に創造したのは、いったいどういうことなのだろうか?

 

意志の自由(230)

ある行動に対して道徳的な責任を負うには、その行動を自由に行える状況でなくてはならない。例えば、目の前の湖におぼれている人がいるが、あなたは地面の杭に縛られていて身動きが取れないとしたら、おぼれている人を救助しなかったからといって、あなたが道徳的に非難されることはない。同様に、あなたが何らかの方法で洗脳されて、ある犯罪を実施せよと命じられた場合も、あなたの自由は奪われていたのだから、罪を犯したことに対して責任はないと言っていいだろう。

 

イマヌエル・カント(237)

イマヌエル・カント(1724~1804)は、『純粋理性批判』(1781年)で『第一批判』とも呼ばれる同書でカントは、形而上学は、世界がそれ自体どのような姿をしているのかを説明するのではなく、私たちが世界をどのように経験しているのかを説明する場合にのみ、科学的になれると主張した。また、『第二批判』こと『実践理性批判』(1788年)でカントは、すべての人に適用される普遍的な道徳法則が存在し、その道徳法則が、私たちが何をしたいかに関係なく、私たちが何をすべきかを命じるのだと主張した。

 

宗教

【書評】考える知識を豊かにする。1日1ページ読むだけで身につく世界の教養365

宗教改革(182)

16世紀初頭、ヨーロッパで多くの人々がローマ・カトリック教会に不満を募らせていた時期に、マルティン・ルターが宗教改革を開始した。1517年にルターは、贖宥状販売だけでなく、カトリック教会のあり方やローマ教皇の正統性にも異論を唱える内容の質問状『九五か条の論題』を、ヴィッテンベルク城教会の扉に釘で打ちつけた。その後、多くの改革者たちの信条が時間とともにまとまってくるにつれ、プロテスタントという宗教思想が形を整えていった。

 

ジョセフ・スミスとモルモン教(196)

ジョセフ・スミス(1805~1844)は、ヴァーモント州の農家に生まれた。彼が後年語ったところによると、10代半ばのころ、はじめて霊的な体験をし、イエス・キリストと父なる神と会った。三年後、スミスのもとに天使モロナイがやってきて、農場に金版(黄金の板に書かれた本)が隠されていると告げたという。金版を手にすることは長年禁じられていたが、1827年ついにスミスはモロナイから、金版を見て翻訳することを許された。金版は古代エジプト文字の一種で書かれており、これをスミスは神の助けを借りて訳したと信じられている。こうして翻訳されたのが『モルモン書』で、モルモン教徒は、これを聖書と並ぶ神の言葉だと信じている。

 

ムハンマド(203)

ムハンマド(570頃~632)は、イスラム教徒によると、神の言葉をこの世に伝える最後の預言者だという。アラブ人はみなそうだが、ムハンマドの家系も、アブラハムの長子イシュマエルにさかのぼることができる。イスラム教徒(ムスリムとも言う)は、ムハンマドの受けた啓示はモーセやイエス・キリストなど他の預言者が受けた啓示に連なるものだと信じている。

 

イスラム教の五行(217)

五行は、すべてのイスラム教徒が実践しなくてはならない五つの義務のことで、五柱ともいう。第一はシャハーダ(信仰告白)、第二はサラート(礼拝)、第三はザカート(喜捨)、第四はサウム(断食)、第五はハッジ(巡礼)である。

 

おわりに

その2でも、科学・哲学に興味が注がれたが、歴史の分野で、特に「革命」には興味を持った。宗教革命やフランス革命、奴隷制度廃止による南北戦争など、哲学の社会契約にみられるように、「政治的権威が民の権利を侵害した場合、社会契約を破棄して反乱を起こす権利がある」のは歴史的事実だなと感じました。学ぶことの多い本書ですが、次はラストの~365日です。一項一項味わいたいと思います。

1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365 [ デイヴィッド・S・キダー ]
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次回予告

次回は最終回、本書のその3をお伝えします。

 

類書

1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365 現代編 [ デイヴィッド・S・キダー ]
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本書の現代編です。近現代史を学ぶために良いと思います。

 

1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365 人物編 [ デイヴィッド・S・キダー ]
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本書の人物編で、人物にスポットを当てた構成になっています。

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