【書評】武器としての書く技術[イケハヤ氏のブログ愛を学ぶ]

【書評】イケハヤ氏のブログ愛を学ぶ。武器としての書く技術
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どうもタスです。

今回は読書習慣を始めて20冊目の本になった「武器として書く技術 30万人に届けて月50万円稼ぐ! 新しい文章術(中経出版)」の感想をお伝えしたいと思います。久し振りにブログ関連の書籍を読んで、意外だったのがテクニカルな内容より書くことの初心に戻れたような感覚を得たことです。

そもそも本書は2013年出版のため、テクニカルな内容に目新しいことはありません。淡々と基本的なことが語られています。表紙に「月50万円稼ぐ!」がテカテカとしていますが、そこに言及した内容はほんの一部です。それよりも、イケハヤ氏の文章を書くことへの愛と言いますか、楽しさや葛藤、自己表現の在り方など、心理的な側面に注目させられた本だなと感じました。

ある意味、拍子抜けした本書ですが、逆に嬉しい裏切りみたいな感覚もあったので、以降でお伝えしたいと思います。

 

著者のご紹介

イケダ ハヤト
「プロブロガー」という言葉を世に知らしめた方として、ブログ運営している方であれば知る人ぞ知る方ですね。その他には、仮想通貨やYouTube(最近はこっちがメイン)など多方面で活躍されています。ブログ運営が下火になっているのが寂しい感じですね。

 

目次

1章 文章が残念な人の10の特徴
2章 凡人の文章を最強の文章に変える10の魔法
3章 月40万字書き続けるぼくの12の秘密
4章 ここまで公開していいのか?書いて月50万円稼ぐ法
5章 書く技術はこんなに人生を豊かにする

 

本書の特徴

【書評】イケハヤ氏のブログ愛を学ぶ。武器としての書く技術

本書は、イケハヤ氏のWebライティングに関する持論の展開をこれでもかというくらい堪能できます。その内容は、本書の巻頭で語られているが、Webを主戦場とする上で文章術に必要な4つの力として同氏があげているのが以下の内容です。

忙しい現代人に見てもらうために記事を執筆する「スピード感」、0.1秒で読者の心をつかむ「コピー力」、読者に最後まで読んでもらうための「引き付けておく力」、固定客になってもらうための「リピートしてもらう力」です。以上、4つの力を高めることを目的に、本書は進んでいきます。各章の最後にはまとめ欄があり、目次と照らし合わせた形で書かれているため、双方を見るだけで簡単に内容が把握できる作りになっているのが嬉しい。

 

書くことに対する熱い想い

【書評】イケハヤ氏のブログ愛を学ぶ。武器としての書く技術

前段でもお伝えしましたが、本書は2013年のものなので内容としては目新しいことは無かった印象です。ただし、イケハヤ氏の書くことに対する熱い想いを感じれることができる内容だと感じました。

文章術に必要な4つの力を向上する方法が主軸となっている印象が強いですが、その内容は第1章~第4章までで大方語っています。むしろ、大事なのは最後の第5章で、章題のとおりブログを通じて人生を豊かにすることを主に置いています。

私は当章が最も響き、腑に落ちました。それは、私がブログを続けている理由の一つに当てはまるなと感じたからです。それは誰にでも持っていて、表現の場としては今はもうブログだけではないのかもしれないけれど、自己表現する誰しもが感じるであろう内容だなと刺さったからです。

ちょっと含み過ぎですが、そんなことを感じつつ、以降より本書についてお伝えします。

 

随所にイケハヤ氏の特徴が満載

【書評】イケハヤ氏のブログ愛を学ぶ。武器としての書く技術

ブログ執筆量や速度の面でイケハヤ氏に勝る人は見たことがありません。それもそのはず、鬼のような文筆量は以下の文面からも見て取れます。

ぼくはかれこれ4年近くブログを書き続けていますが、いまだにスピードは向上しています。かなり調子がいいときは、1時間で8000字を書き上げることができるようになりました。当面の目標は時速10000字です。

こんなに書いていても主張したいことは山ほどあるらしく、ネタ切れなんて何のその。

ぼくも世の中に対して主張したいことがまだまだあるのです。時間さえ許すのなら、ぼくは365日、毎日10本のブログ記事を更新できる自信があります。

これだけで才能があると言って良いのではないでしょうか。今はあまり聞かなくなりましたが、当時はブロガー初心者へ「3ヶ月で100記事書けたらスタート」みたいな言葉が生き残るための売り文句みたいな感がありますが、イケハヤ氏にかかると10日で完了ですね。

ただ、むやみやたらに書くだけでは思考の成長にならないのではないかという疑問があるのですが、それに対する答えはこう。

書けないからといって諦めてしまっては、いつまでたっても回路は育ちません。毎日トレーニングしないといけない、というのはスポーツ選手とかミュージシャンとも通じる話だと思います。

考えてばかりでもいけない。手を動かすことで成長する。脳も体も書くことも、毎日のトレーニングの成果が必然的に自分を作っていくのですね。

 

大胆不敵と繊細さの表裏一体が見られる文章を書く

【書評】イケハヤ氏のブログ愛を学ぶ。武器としての書く技術

なんと言ってもイケハヤ氏の特徴と言えば、炎上。炎上商法という言葉は今では珍しくないですが、当時は画期的な言葉だったはず。なにせ、炎上は心をすり減らすことで脱落する原因にもなりかねません。しかし、イケハヤ氏はそんなことにビビるなと言っています。

本音を語って炎上することなんて、大海に石を投げ込むようなものです。こんな小さな波紋、何を気にする必要があるのでしょうか。ガンガン発信していきましょう。

何ともイケハヤ氏らしい言葉です。その一方では、以下のように自分に嫌悪感さえ抱くような繊細さも持ち合わせています。

優れた物書きは、世の中の割り切れなさに延々と向き合い、自分なりの答えを見つけつつも、断定的に語ってしまう自分に違和感を抱き続ける人です。
(…中略…)
「責任なんか言い出したら文章なんて書いてられない。書き手が行う提言の妥当性については、読み手が判断することだ」というものですが、やっぱりどこか違和感がありますし、そう断定してしまう自分に嫌悪感を抱いてもいます。

強気の炎上と自己嫌悪さえ起こす繊細さ、この表裏一体があってこそ人々を引き付ける文章が書けたのではないかと思います。答えのないものに向き合うからこそ興味関心を抱く人が集まり、炎上する。しかし、その善し悪しは誰にも裁けませんよね。

 

ブログ愛こそ書く原動力の源

【書評】イケハヤ氏のブログ愛を学ぶ。武器としての書く技術

イケハヤ氏はブログへの愛を以下のように綴っています。

まずはブログによる自己表現で、全ての人に癒しを味わってほしいという気持ち。ノーベル文学賞受賞者である大江健三郎の著書『あいまいな日本の私』を引用して、ブログを書くことによる自己への癒しを説いています。

ノーベル文学賞受賞者である大江健三郎は、著書『あいまいな日本の私』の中で知能に障害を持つ自身の息子が奏でる音楽について、このように述べています。

そして、かれの音楽を聴けばいかにもあきらかなことですけれども、そういう苦しいもの、悲しいことをかれは表現しているが、そのように表現すること自体に、かれ自身が癒されている、と私はいいたい。表現する当人が、そのように自分を表現したことで恢復しているところがあると私は思うわけなのです。
「表現したことで恢復する」のはなにも芸術家にかぎりません。ぼくらのような一般の人もまた、自分の想いを文章や絵、音楽、行動などで表現することで、癒しを経験することができます。 

さらに、先の発言に続けて、大江氏は次のような素敵な指摘を展開しています。

それは、表現された者を受け止めてくださる人にとっても、同じではないのか、とさえ感じるのです。これが芸術の不思議さだと、私は呼びたいのでもあります。

つまり、表現することは自分の癒しでもあり、それを見ている鑑賞者にとっても癒しとして機能するということです。

また、同調圧力、協調、集団主義など、現実社会で一様な扱いになり自分を失った人々へ、ブログを用いて自己表現を行うことで個人を取り戻してほしいという想いも綴っています。

ブログを用いた自己表現というのは、「希薄になった自分の濃度を高める作業」です。

ブログを書き、まずは自分が「すぐに賢者の皮をかぶろうとする、へっぴり腰の臆病者」で あることに気づきましょう。そして、その臆病と戦い、希薄になった自分を取り戻していきましょう。そして、その臆病と戦い、希薄になった自分を取り戻していきましょう。これこそ、ブログを書く最大の目的です。

ブログを目的は、収益でも名声でも炎上が目的でもなければ、「希薄になった自分を取り戻す」ことだと言っています。それこそがフリーランスやブログ以外の自己表現を行うになる後押しになったのかもしれないですね。

 

おわりに

本書の副題になっているとおり、ブログは「収益」を生み出す素晴らしいツールです。もうすでに個人メディアから企業メディアまで多岐に渡って収益目的で利用されています。一方では、書くことを以って自己表現が行える場であり、それを見てベネフィットを感じる人がいるのも事実です。

ブログを始めた当初、私も誰かに見てもらえたら良いなと書くことにワクワクしたのを覚えています。それも「希薄になった自分の濃度を高める作業」なのかもしれないと思うのと同時に、
今後もその気持ちを忘れず文章を書いていきたいと肝に銘じます。

巻末には、

……書くことに迷っていたら、まずこの本の感想を「書く」ことから始めてみてはどうでしょうか?余計なお世話かもしれませんが。

とのことで、早速書評を執筆した次第です。

 

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